行政書士講座の講師ブログ

国葬の法的根拠

みなさん、こんにちは。
専任講師の福澤です。

今回は、国葬の法的根拠について少し調べてみました。

まず、首相官邸HPに、岸田総理大臣の令和4年7月14日の会見の内容が掲載されています。
それによると、朝日新聞の記者から、「国葬は国費で行うことになり、閣議決定で行うのではないかと思うが、国会の審議は必要ではないのか?」という趣旨の質問がなされました。

これに対して、岸田総理は、以下のように回答しています。
「国葬儀、いわゆる国葬についてですが、これは、費用負担については国の儀式として実施するものであり、その全額が国費による支弁となるものであると考えています。そして、国会の審議等が必要なのかという質問につきましては、国の儀式を内閣が行うことについては、平成13年1月6日施行の内閣府設置法において、内閣府の所掌事務として、国の儀式に関する事務に関すること、これが明記されています。よって、国の儀式として行う国葬儀については、閣議決定を根拠として、行政が国を代表して行い得るものであると考えます。これにつきましては、内閣法制局ともしっかり調整をした上で判断しているところです。こうした形で、閣議決定を根拠として国葬儀を行うことができると政府としては判断をしております。」

つまり、国会審議は不要であり、閣議決定で行うことができるというのが、政府見解ということです。

他方で、各地の弁護士会から、続々と国葬に法的根拠が乏しいという声明が出されています。
各弁護士会で、主張内容は様々ありますが、大体の弁護士会が、国葬の法的根拠が存在しないことを、法律論及び過去の経緯から詳細かつ丁寧に説明しています。各弁護士会の声明を拝読すると、個人的には納得できます。

みなさんも、ぜひ一度、両者の主張について、官邸HPや各種報道、弁護士会のHPなどで確認して、検討してみてください。

今回は、このへんで。