行政書士講座の講師ブログ

侮辱罪の厳罰化

皆さん、こんにちは!
フォーサイト専任講師・行政書士の福澤繁樹です。

今回は、令和4年7月7日に施行された、侮辱罪の法定刑の引上げに係る規定をご紹介します。

まず、新旧の比較です。
今回の改正では、侮辱罪の法定刑が以下のように引き上げられました。

(旧)拘留又は科料
(新)一年以下の懲役若しくは禁錮若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料

そもそも侮辱罪とは、事実を摘示せずに、公然と人を侮辱するという犯罪です。
具体的には、事実を摘示せずに、不特定又は多数の人が認識できる状態で、他人に対する軽蔑の表示を行うと、侮辱罪の要件に当たることとされています。

旧法では、侮辱罪は、刑法の中でも軽い処罰である拘留又は科料でした。
ちなみに、拘留は1日以上30日未満、刑事施設に拘置する刑です(刑法16条)であり、科料は1000円以上1万円未満の金銭を支払う刑とされています(刑法17条)。

今回の改正は、ネットにおける誹謗中傷が社会問題化していることを受けて、その法定刑を引き上げることで抑止効果を狙ったものだと解されます。

なお、同時に公訴時効についても、従来の1年から3年に引き上げられることになります。

行政書士試験でも重要分野である、情報通信についての刑罰的取締規定ですので、一般知識対策として書いておきます。

今回は、このへんで。