行政書士講座の講師ブログ
転売の問題

皆さん、こんにちは!
フォーサイト専任講師・行政書士の福澤繁樹です。

今年受験の方は、直前期ですので、ラストスパート頑張っていきましょう!
他方、来年受験予定の方は、着実に学習時間を確保していきましょうね。

今回は、転売について、私なりに調べて考察してみました。

みなさんも、ご存じのように、最近、マスクやゲーム機などについて、
転売が社会問題となっています。
一部の者の買い占め行為などが、行われて、一般的な消費者が、
買いたいものが買えないとか、値段が非常に高いなどの問題が生じています。

まず、議論の出発点ですが、そもそも転売行為をすることは、
原則として、法的には問題はありません。
みなさんも、ご存じのように、日曜日に地元のフリーマーケットに参加することやフリマアプリなどを使用して自分の所有物を売却することは、適法な行為なのです。

なお、法律上、一定の資格がないと取引ができない物品等を扱う場合には、その資格を取得していないと違法です。
また、衣類・宝飾品・書籍・金券その他幅広い物品の「古物」、つまり一度使用されたか、新品でも使用のために譲渡されたものは反復継続的に売買するなら、古物営業法の古物免許が必要となります。なお、申請は警察に行います。行政書士の主たる業務の一つです。
ただ、ゲーム機などは資格がなくても問題ありませんし、古物営業法の古物は、通説的には、最初から転売目的で新品を購入したような場合は古物に含まないと考えているようですので、転売に古物の免許はいらないこととなりそうです。

次に、考慮すべき内容として、特別法の存在があります。
まず、2019年に制定されたチケット不正転売禁止法によってチケットや乗車券の転売は禁止されています。
さらに、マスク転売の際に脚光を浴びた法律で、国民生活安定緊急措置法というものがあります。
今回のコロナ対策では、マスクの買占め・高額転売に対して、政府が同法に基づき、マスクの高額転売を禁止する措置を講じました。
このような場合には、転売に法的規制がかかります。

しかし、何度も言うように、大原則として転売行為は適法な行為ですので、これらの資格制度や古物営業法、さらには特別法の規制には、どうしても一定の限界があります。

つまり、現行法では、すべての転売を禁止することは難しいということのようです。
なんだか消化不良のような結論ですが、現時点での私なりの転売に関する考察の結論となります。

もちろん、上記は私なりの考察ですので、皆さんもご興味があれば調べてみると面白いかもしれません。

今回は、このへんで。