ITパスポートのスペシャリストによるこっそり裏講義

皆さん、こんにちは!
 ITパスポート講座担当の小野です。
 皆さん、夏休みはいかがお過ごしですか? リフレッシュできていますか?

 とうとう真打ちの登場でしょうか? フェイスブックがリブラという仮想通貨(暗号資産)を発表しました。巨大企業が運営する仮想通貨が誕生するわけです! 仮想通貨、ブロックチェーンといったキーワードはITパスポート試験にも出題されます!
 これまでの仮想通貨ではトラブルがたくさん起きてきました。でもリブラは、これまでの仮想通貨(ビットコインなど)と仕組み・規模が全く違うみたいで、もし、これが普及したら、今の経済の仕組みを根底からひっくり返すものになるかもしれません!

 これまでの仮想通貨との違いは、名だたる大企業が管理して、裏付けとなる価値あるものを保有するという点です。これまでの仮想通貨は管理者がおらず、価値の裏付けがありませんでした。ブロックチェーンという技術で、取引参加者が全員で監視することで、安全性を保ち、それによって“仮想通貨は価値あるもの”として受け入れられていたのです。

 一方、リブラはフェイスブックを中心に、VISA、mastercardといった金融機関、uber、spotifyといったテック企業などが出資するリブラ協会という組織を作って、そこで管理します。私たちはリブラ協会に円やドルを払い、リブラを買う形でリブラを手に入れることになるわけです。そして、リブラ協会は、リブラを発行するときに私たちから受け取る円・ドルなどで日本国債やアメリカ国債に投資して(リブラ協会が保有して)おくことでリブラの価値を維持するのだそうです。つまり、国債という価値あるものの裏付けがある仮想通貨というわけです。

 これまでの仮想通貨に比べて、とてもしっかりしている感じがします。しかも、スマホがあれば使えるので、世界のどこでも使える通貨となります。かなり安全で、どこでも使えるとなると、爆発的に普及する可能性大です。

 ただ、逆に、あまりにしっかりしすぎている点が、社会を根本的に変えてしまうかもしれない力を持っているように感じられて、とても怖いとも思います。
 というのは、これまでの仮想通貨より信用力がかなり高いので多くの人がリブラを使う可能性が高いということは、裏を返せば、多くの人が円やドルを使わなくなるようになるということです。
 今の経済は国が発行するお金で成り立つ=国の管理下で自由に企業が活動しているわけですが、国が管理する“お金”というツールを“一企業”が取り上げることになってしまいます。“一企業”の力が国の力を超えることになり、何が起きるか全く予測できない怖い世界が到来するかもしれません。だからでしょうか。G7が横やりを入れたり、アメリカの議会がマーク・ザッカーバーグさんを議会に呼んだりしたのは。

 極端な話、日本人が、持っているお金を全部リブラに交換しちゃったらどうなるでしょう? 若い人が経済の中心になると、円は使わず、リブラだけという人もかなり出てきそうですから、あながち絵空事ともいえません。現在、日本銀行は日本国内に流通する円の量を多くしたり少なくしたりして経済の調整をしていますが、国内で円が使われなくなると、日銀による経済の調整ができなくなってしまいます。国が国内経済を統制できない!のです。するとどうなるか、予測不能です…。

 しかも、統制しているのはアメリカのフェイスブックという一企業です。そして、もしフェイスブックの経営が傾いたらどうなるでしょうか? フェイスブック危ない! リブラ危ない! とみんなが思ったら、一斉にリブラを円・ドルに戻すでしょう。リブラ協会は保有する日本国債やアメリカ国債を売って円・ドルを調達して、リブラと交換しなければなりません。つまり、大量の日本国債・アメリカ国債が売られて、国の財政がやばくなるかもしれないわけです。極端な話、フェイスブックが倒産するとアメリカ政府・日本政府が倒産するなんてことになりかねず、私たち日本人の運命はマークとともにみたいな…。

 もしかするとアメリカ政府が一番ヤバかったりするかもしれません。基軸通貨を取り上げられる可能性もあるからです。今は1ドル110円というように、ドルと他の国の通貨の交換が基本で、世界はドル中心です。それが、1リブラ○○ドル、1リブラ○○円という世界になると、ドル中心の世界経済が崩れ、為替レートは訳の分からない動きを始めるかも。今までコツコツ貯めてきた私のドルが…(泣)。

 そのうえ、流出事件が起こったりするともう目も当てられません。ITマフィアなんて人達が出てくるかもしれませんね。リブラが全世界で使われる規模になると、リブラを管理するコンピュータに侵入して、100兆円くらい強奪する事件が起きかねません。ジュラルミンケースを持って逃げる必要がないから、あるだけ盗めるわけです。
 日本でコインチェックが盗難されたときは運営企業が補填しましたが、フェイスブックといえども、100兆円を補填できるでしょうか?

 なかなか怖い世界です!



小野正芳

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