ITパスポート講座の講師ブログ

地銀に債券投資規制

皆さん、こんにちは。
ITパスポート講座担当の小野です。
祝日3連休まで、あと約1ヶ月。何とか乗り越えていきましょう!

世の中のITの進化はすごいですね。
ITの進化は仕事の効率性を高めてくれますが、
その反面、仕事の質を変えたり、仕事にかかわる人の数を減らしたりしてしまいます。
 
先日、金融庁が地銀に対して、債券(特に海外債券)投資を規制する方向に進みつつあるという報道をみました。
地銀は集めた預金を、資金を必要としている企業などに貸し出すことが本来の役割ですが、
日本国債や外国政府債の購入に回す割合が高まっているそうです。

今後は日本国債や外国政府債の価格が下落基調になることが予想されることから、
日本国債・外国政府債への投資を減らし、企業などへの融資へシフトさせることが目的だそうです。

この記事を見たとき、あぁ~、地銀もITと戦っているんだなぁと思いました。
そもそも、なぜ地銀は集めた預金を企業などに貸し出さなくなったのでしょうか。
それは企業などが銀行からお金を借りる必要がなくなったからです。

地銀などの地域金融機関が主な取引相手としているのは地方の中小企業(ベンチャーを含む)でしょう。
ITの進化によってクラウドファンディングという資金調達方法を利用することができるようになりました。
お金を調達したい企業は、インターネット上で、お金を集める目的、集めたお金で行う事業などを公表し、
賛同してくれる人から直接お金を集めることができるようになりました。
中小企業がお金を調達する手段が増えたわけです。

クラウドファンディングは猛烈な勢いで浸透していますが、
これによって中小企業は銀行からお金を借りる必要がなくなり、
自分で直接、お金を集めることができるようになりました。

一方で、銀行は困ります。借りてくれる相手がいなくなるのですから。
そのため、企業への融資が減り、かといって、集めた預金を放置するわけにもいかないので、
日本国債や外国政府債を購入して、地道に金利収入を得ていたわけです。

そこに、金融庁が「債券投資はやめて、融資をしなさい」と規制するわけですから、
地銀はクラウドファンディングをはじめとするITの進化によるファイナンスと戦わなければならなくなりました。

ITの進化はありがたいのか、迷惑なのか(?)、よくわからなくなってしまいます。