ITパスポート講座の講師ブログ

規制で労働者が護られる?

皆さん、こんにちは。 
ITパスポート講座担当の小野です。
“食欲の秋”が近づいてきましたが、
このまま食欲があがるとマズイ今日この頃です。

最近、働き方改革に関連して、このトラック・バス・タクシーの業界でいろいろ起こっていますよね。
これらに関するニュースを見ていて注目すべきだなぁと思うのは、
反対の政策を実行したのに同じ状況に陥ってしまったというです。

2000年前後からトラックとバス(観光バス)の業界は原則として自由競争の世界となりました。
トラックを使った運輸業は算入するハードルが低いので参入者が激増し、
運賃値下げ競争が始まり、劣悪な労働環境になってしまったのは周知の通りです。
また、ネットの発達によって通信販売が激増した時期が重なってしまい、労働環境の悪化に拍車を掛けました。

バスの業界も同じような状況となりました。
特にツアーバス業界では安値による運行受注が続き、
それが運転手に過度の負担(超長時間労働)をかけ大事故をおこす状況が続きましたよね。
トラックとバスでは自由競争にした(規制緩和の)結果、労働者の負担が大きくなる、
利益は出ないといった悪い状況になったわけです。

では自由競争をやめて規制すればいいのかというとそういうわけでもないらしいのです。
タクシー業界は規制のため運賃を自由に設定できません。
その結果、料金が高止まりして年々利用者が減っています。

その結果、歩合の割合が高い運転手の方々は収入を維持するために長時間勤務を余儀なくされました。
タクシー業界では自由競争にしなかった結果、労働者の負担が大きくなったわけですね。

規制があると労働者が護られるような気がするのですが、
規制しても規制しなくても、労働環境が悪くなりました。
労働者にとってみれば笑えないジョークかもしれません・・・。

では経営者の立場から見ればどうでしょう。
経営者の立場から見ると、規制がなくなると責任が大きくなります
規制がなくなると従業員とお客さんという相反する利害を持つ人々の間の調整を経営者が行わなければならないからです。

規制がなくなると、安い(あるいは品質の高い)サービスを求めるお客さんを満足させつつ、
多くの給料を欲しがる従業員も満足させなければならず、この間の調整をすべて経営者が行わなければならなくなります。
規制があれば規制が調整をしてくれるわけです。規制って経営者のためのものなんですね。