ITパスポート講座の講師ブログ

M&A、本当の狙いは?

皆さん、こんにちは!
ITパスポート講座担当の小野です。
ジメジメに夏の暑さがドッキングし始めました。
皆様、体調管理にはお気を付けて!
 
ITパスポート試験の企業経営に関する出題の中で
M&Aについて出題されます。

M&Aというと、
「ある会社が窮地に陥った別の会社を買収して、2つの会社が合併する。
そして、そのあとはドロドロの内紛劇が!」とか
「外資系のハゲタカファンドが会社を乗っ取り!」
なんてことを想像しがちですが、実態は全く違います。

M&Aが行われる前提として押さえておくべきは
「会社は常に成長することを求められる」ということです。
社会は常に変化するんですから、
それに会わせて会社自らも変化・成長していかなくてはならないんですね。
では、どうすれば成長できるでしょう? 

やり方は2つです。

1つは自前で新ビジネスの種まきから始める方法です。
でもこれには大変な時間と労力を必要とします。
もちろん、こういったやり方も必要ですが、
これだけでは急激に変化する社会に対応できません。

そこでもう1つのやり方、M&Aが使われます。
すでに何らかのビジネスを始めている企業を買収して、
自社のバリエーションの1つとして取り込むわけですね。

もちろん、全く新しい事業のM&Aでもかまいませんが、
最も望ましいのは自社のビジネスと相乗効果がある新ビジネスのM&Aですね。
例えば、富士フイルムはデジカメ・スマホの登場でカメラ事業が大変なことになりましたが、
積極的なM&Aで今やビジネスの半分近くが医療関係となっています。

写真フィルムで培ったナノテクが、薬を患部に的中させる技術として使えるそうで、
まさに相乗効果をもつ新ビジネスのM&Aを繰り返してきたわけです。
フィルムを使うカメラかデジカメへという社会変化に対応するための手段がM&Aだったのですね。

M&Aによって買収側の企業にはビジネスのバリエーションが増加し、
それによって社内に多様性がもたされるというメリットが生まれます。
また、買収される側の企業では、
(子会社化などで買収側の企業グループに残ることも多々ありますが)
経営者が買収された会社を辞めて、また新ビジネスを起こすことも増えてきました。

つまり、M&Aによってビジネスの組み替えと創造が起こっているんです。
世の中、多様性が重要と言われて久しくなりました。
同じような属性の人達が同じような業務を続けていくとうまくいかないわけです。

その点でM&Aは企業に多様性をもたらす手段としても位置づけられるようになり、
停滞する日本経済をかき回してくれるでしょう! 
経営者の皆さん、M&Aでもっと新しいビジネスを生み出して!