ITパスポート講座の講師ブログ

すげぇ~! 夢が拡がるコネクテッドカー!

皆さん、こんにちは!
ITパスポート講座担当の小野です。
はやく夏休みが来ないかなぁ。
 
先日、トヨタ自動車がコネクテッドカーの投入を発表しました。
車がインターネットにつながることで新しいサービスを提供してくれるそうで、
当初は、コネクテッドカーにインストールされたアプリが
自動車メーカー・販売店・整備工場などとデータをやりとりして、
運転者に必要な情報を提供してくれるというレベルからスタートするようです。

例えば、事故情報が車からメーカーへ発信されれば、
メーカーのコールセンターがそれを察知して、
警察や消防への連絡をしてくれたり、
故障しそうな部品があれば早期交換を促したりといったサービスが提供される予定です。

でも、これは始まりにすぎません。
今後は映画に出てきそうな“超未来的”なサービスが提供されることになるでしょう。
豊田社長が「車を作る会社から、世界中の移動に関わるあらゆるサービスを提供する会社へ変身したい」
と発言していますが、コネクテッドカーを皮切りに、
私たちと自動車の関わり方が大きく変わっていくように思います。

この変身の方向性は2つありそうです。

1つ目は、コネクテッドの発展に自動運転が融合し、
車が“所有するもの”から“利用するもの”へ変化する方向性です。
トヨタはすでにマイクロソフトと組みデータ管理・分析・利用の手法を開発中だそうです。
トヨタはシリコンバレーに研究所も持っていますし、
M&A資金も潤沢だし、プラットフォーマーをめざして、
グーグルがGmailなどから拡大させた各種ネットサービスの提供・ユーザの囲い込みのような活動を、
車を舞台にやっていくということなんでしょう。

その流れに自動運転が加わると、コネクテッドのフェーズが変わりそうです。

例えば、カレンダーアプリに出張の予定を入れると、
そのアプリが経路検索・配車をすませて「○月△日の出張の目的地は××ですね? 
目的地の××まで□時間かかります。先方との打合せ開始が◇◇時ですから、
△△時にはご自宅へお迎えに行きますね」
なんて、連絡が来るようになるかもしれません。

しかも、メールではなく、コンピュータから電話がかかってくるのかもしれません。
つまり、トヨタが所有する自動運転コネクテッドカーを街中に走らせて、
トヨタはアプリを使った輸送サービス会社になり、
私たちは運転手付きの車を所有している状況が作られるわけです。
すでに存在するカーシェアとはかなり違うレベルでのシェア経済になります。

2つ目は、“車の所有”の概念を劇的に変える方向性です。

今進んでいる流れで電気自動車が主流になると、
車がコモディティつまり簡単に作れるモノになると言われています。
“所有したい”人は、「モーターはこれ、電池はこれ、装備はこれ、・・・」
みたいな感じで、自分好みの車を所有できるようになるかもしれないと言われています。

銀座に“所有車”のオーダーメイドショップができたり、
個人デザイナーが個人商店でこだわりデザインの車を売ったりする世界が実現するかもしれません。

恐らくそのとき、ホンハイみたいな企業
(EMS:製造受託企業、あらゆる電化製品の製造を受託している会社のこと)が
組み立ててくれるようになるでしょう。iPhoneはホンハイが受託製造していますが、
そんな感じで車も電化製品になり、製造受託企業が作る可能性が高くなります。

そして、多くの企業が各種パーツの開発に参入してきて、
車のバリエーションが増えてきて、“所有”の趣味性が高まります。
自動車メーカーは車のバリエーションを増やすために、
車以外の電化製品を作るメーカーになり、
私たちはオーダーメイド自動車の所有・走行を楽しむという世界です。

そこにコネクテッドが関わると、こだわりの車を貸し出すビジネス
(民泊の車版みたいな感じ)などが可能になるでしょう。
現代では、車は所有して、自分の生活のために使うという
“所有の仕方”が一般的ですが、電気自動車化への流れにコネクテッドが融合すると、
所有している車が趣味を楽しむ手段とお金を稼ぐ手段に変化しそうです。

車を使うだけの人は先に書いた配車サービスだけを利用するだけになるでしょう。
このように“車の所有”は「楽しむ+稼ぐための手段」に変化しそうです。

ただ、いいことばかりではありません。
コネクテッドであるが故に、サイバー攻撃への対応が必要になるでしょう。

それにはかなりのコストがかかるでしょう。
コネクテッドカーを制御しているサーバーがやられると街中を走っている車が凶器になるのですから、
厳重な対策が必要です。

また、車には多くの税が関わっているので、
(コネクテッドによって車が効率的に利用されることによって)
世の中に存在する車の台数が減るでしょうから、
そのときには税収が減少するでしょう。

そのとき、今と同じ交通インフラを維持できるでしょうか? 

問題点もあるのでしょうが、
これまでとは異なる次元での進化を期待できるコネクテッドカー。
とても楽しみです!