ITパスポートのスペシャリストによるこっそり裏講義

損益分岐点

皆さん、こんにちは!
ITパスポート講座担当の小野です。
“食欲の秋”が過ぎていき、次は年末の忘年会!
そこまでにお腹を何とかしとかなきゃ!

ここ最近、株価が乱高下していますが、
それでも、2012年に安倍首相が就任して以来、
日経平均株価は3倍近くになりました。
つまりだいぶ上がっているんですね。
その主な理由として、企業が無駄をそぎ落として、
儲ける力がついてきた点を挙げる意見が多いようです。

儲ける(利益)というと“売上を上げること”と考える人は多いと思いますが、
簿記を勉強した方なら、儲ける方法をすぐにもう1つ挙げることができるでしょう。
それは、経費を増やさないことですね。儲け(利益)は売上から経費を引いたモノだからです。

利益を増やすためには、売上増加額>経費増加額となっている必要があります。
そこで損益分岐点という指標を使った分析に注目が集まります。

ITパスポート試験でも出題される指標ですよね! 
ここ数年の損益分岐点分析から分かったことは、
売上の増加によって儲ける力が上がっているというより、
経費のかけ方を変えることで儲ける力が上がっているらしいということです。

損益分岐点とは、どのくらいの売上があれば赤字にならずにすむかを表す指標です。
まず、この分析のために、経費を「固定費」と「変動費」の2種類に分けます。
売上に関係なく一定額、変わらずに発生するのが固定費であり、
オフィスの家賃や月給で支払う従業員の給料が代表例です。

売上が固定費を上回ると超えた分すべてが利益になる一方、
利益が出なくても払わなければいけないので無駄を抱える可能性があります。
つまり、固定費は当然少ない方がいいわけです。   

もう1つは売上に比例する費用で、変動費といいます。
時給で支払う人件費などが代表例です。要は使った分だけ負担するということなので、
どんなに売上が少なくても利益は出ます。
そして、売上が増えるに応じて、比例的に利益が出るので、
確実に儲けを増やせるわけです。
  
つまり、トータルでみると、固定費が低く、変動費に当たる費用が多いほど、
損益分岐点は低くなって儲けやすい環境ができるということなんですね。

これを念頭に置いて、企業が最近やってきた政策を見てみましょう。 
1つは人件費削減です。正規社員を減らして、非正規社員を増やすという方法を採ってきました。
多くの場合、正規社員の給料は月給で固定費、非正規社員の給料は時間給で変動費です。
つまり、この動きは固定費を減らして変動費に変える動きですね。

もう1つはアウトソーシングです。アウトソーシングというと何だかかっこいい感じがしますが、
要は自分で設備を持たずに、外注を増やしているわけです。
設備を持たずに外注すれば使った分だけ負担するということで、
やっぱり、固定費減・変動費増の政策難ですね。

このように、儲ける力がアップした主な原因として、
使った分だけしか経費を負担しないシステムを作り上げた点を挙げられるんです。
こういう動きがバブル崩壊後に進んで現在の株価高値水準のところにたどり着いているといえるでしょう。

でも、これは、企業側から見ると儲かるからいいですけど、
働く側からすると正規雇用が減ったり、いいことなのかは微妙に感じますよね。
実際、良いシステムかどうか、かなり悩ましいところだと思います。

先月ITブログでお話しした「比較優位」の話で行くと、基本的にはこの流れが続くと思いますが、
ただ、この流れは、できるかぎり余裕を持たないシステムを目指すということで、
極端な話、いつもギリギリの状態でやっていく、必要に応じてヒトや設備を調達するということですから、
いつか厳しい状況になると思います。

もちろん、企業活動での無駄の垂れ流しは論外ですが、
一切の余裕がないのは働くヒトが耐えられない状況を生み出すでしょう。
また、企業が生み出す商品などを買うのは結局ヒトです。
企業は、従業員を見るとき自社の商品を買ってくれるヒトという側面も考慮しなければいけませんよね。
ヒトに少し余裕を与えないと企業自身の活躍のフィールドをなくすことにつながってしまいかねません。

最近は、企業は効率性の側面だけに注目してがんばってきたけど、
ある程度、目的が達成され、今は効率性・余裕という相反する要素を
どのあたりでバランスさせるかという時期にさしかかっている時期だと思います。

年代別の給料を30年前と比べると、40代だけが極端に下がっているという事実があります。
40代は就職氷河期世代といわれますが、その中身は、余裕を取り上げられて、
働いた分だけしかもらえない環境で働かざるを得ない状況だったということなんですね。
その結果、少子化が進みましたし、企業は国内での活躍のフィールドを狭めてしまいましたね。
日本は、もう同じ失敗は繰り返す余裕はありません。

日本の社長さん! 社員を幸せにしてあげて! 



小野正芳

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