ITパスポート講座の講師ブログ

平成30年間のITトピック -フェリカ搭載の電子マネーの登場-

フェリカ

皆さん、こんにちは!
ITパスポート講座担当の小野です。
寒い日が続いていますが、カゼなどをひかないように、
体調管理に気を付けていきましょう!

平成も31年で終わり新しい時代に突入します。
平成の30年間にIT技術はめざましい進歩を遂げました。
その中でもフェリカ(非接触ICカード)搭載の
電子マネーの登場は、私たちが毎日何回も行う
お金のやりとりのコスト(手間・経費)をグッと小さくしました。
消費者側からみると、朝の忙しいときに、財布から小銭を出して…
なんてことをしなくていいのはとてもラクだし、
「いろんなところでポイントがもらえるので、お得でうれしい!」
程度の変化かもしれませんが、企業側から見るとそんなもんじゃないんです。

お客さん一人一人がレジで短縮できる時間はせいぜい2~3秒でしょうが、
日本全体で考えると、1日で、5,000万人が3回買い物し、
2秒ずつ短縮できると…、83,000時間くらいうきます。
その時間で他の作業を行えれば、企業にとってかなりの経費削減につながります。
また、お店に現金をおかなくてよいので、現金を管理すること、
防犯対策のコストなど、関連するコストをかなり圧縮できます。
こうみると効率化が電子マネーの主な効果のようにみえますが、
実は、企業側にはもっとメリットがあります! 
むしろ、コスト削減はおまけみたいなものなんです。

それは「経済活動のデータ化」です。
今後はこちらがクローズアップされるでしょう。
電子マネーによる支払が行われると、
「誰が、いつ、どこで、どんな商品を買ったのか」というデータが残ります。
ですから、新製品開発、マーケティングなどのやり方がガラッと変わってくるでしょう。
消費者一人一人の好みまで戦略を立て、
買う可能性が高い人にただで広告(メール)する世界がきているわけです。

私たちは消費者であると同時に、企業側の人間。
今は、電子マネー決済は一部かもしれませんが、
フェリカ搭載の電子マネーがもっと浸透したとき、
私たちの仕事のやり方がガラッと変わる可能性が高いですね。
すでに電子マネー以外でも、飛行機の搭乗券、
コンサートなどイベントの入場券、会員証など、
個人を特定する必要があるところで使われ、
コスト低減・消費者行動のデータ化が進んでいます。
今後ももっと普及するでしょう。
ただし、様々な作業が効率化されて便利ですが、
行動を把握されることの窮屈さを感じる場面が増えるかもしれません。

また、電子マネーで気になる動きがある。
法律改正で給料を電子マネーとして支払うことが可能になったということです。
政府も消費増税に絡めてキャッシュレス化をいっそう進めていくつもりのようですよね。
一方でキャッシュレス化が進んでいる国では、個人の借金が多い傾向があります。
例えば、韓国人、アメリカ人の一人あたり債務は日本人の1.4倍くらいなんです。
お金に関する教育を全く行わない日本で、
見えないお金で経済活動を行わせるのは少し怖い気もします。。

消費者・企業に大きなメリットをもたらしたフェリカですが、
今後は便利さと窮屈さのバランスをとることがポイントになりそうですね。