ITパスポート講座の講師ブログ

ちょっと意外な展開!

 皆さん、こんにちは!
ITパスポート講座担当の小野です。
はやく暖かくならないかなぁ。

 ITパスポート的には欠かせない携帯通信網。
ドコモ、au、ソフトバンクの3社が寡占状態で料金が高止まりしていることに対応して、菅官房長官が「携帯電話料金はあと4割下げることができる」などと発言した結果、2019年10月から新ルールが適用されることとなりましたね。

その新ルールでは、端末値引は2万円まで、中途解約の違約金最大1,000円がとなりました。政府は、中途解約の違約金を1,000円にすれば、利用者が少しでも安いキャリアに乗り換え、値下げ競争が始まるだろうと考えていました。また、端末値引を2万円までにすれば、短期的な端末買換(=新規扱いでの再加入)が控えられ、それで浮く販売奨励金を値下げ競争の原資として使えるだろうと考えていました。つまり、端末値引2万円+違約金最大1,000円という制限によって値下げ競争が始まるだろうと考えていたわけです。そういう予想の背景には、楽天が2019年10月からキャリアとして新規参入することもありました。

 ところが、楽天はトラブル続きで10月から参入できず、今のところ料金も発表されていません。そのため、ドコモ、au、ソフトバンクも様子見状態となり、ドコモ、au、ソフトバンクが大胆に値下げした料金プランが発表されることもありませんでした。そのため、この3社の収益は現状維持となりました。

 一方で、新ルールによって端末値引は最大2万円までとなりましたから、これまでドコモ、au、ソフトバンクが携帯ショップに払っていた販売奨励金を払う必要がなくなり(端末販売台数は200万台減くらい)、その分だけこの3社の費用が減りました。

 つまり、収益は変わらないけれども、費用が減ったわけです。その結果、auの利益は15%増、ソフトバンクの利益は11%増と、大きく増加しました(ドコモは6月に発表した値下げプランの影響で、利益は15%減)。

「大儲けしている携帯電話会社に値下げさせるぞ!」ということでできた法律が、結果的に携帯電話会社をさらに儲けさせるというになってしまったわけです。なんだかなぁ…。