社会保険労務士講座の講師ブログ

七五三

暦の上では、すでに冬ですが、
実際には、まだ冬という感じではありませんね。
これから少しずつ寒さが増していくでしょうが。

フォーサイト専任講師の加藤です。

さて、今回は「労働経済」に関することです。
まず、次の問題を見てください。

白書によれば、我が国の新規学卒者の離職率の高さは「七五三」と言われるように、
中卒者の7割、高卒者の5割、大卒者の3割が、3年以内に最初の就職先を離職して
いる、としている。さらに、若年者の失業率の上昇には、自発的な離職の増加が大きく
影響しており、学卒採用時の環境が厳しいほど不本意な就職先に就職した者が多いため、
将来の離職が増えると考えられる、としている。

これは、平成15年度の択一式の問題で、正しい内容です。
この問題にある「七五三」現象については、
平成24年度の択一式でも出題されています。
新規学卒者の3年以内の離職率を示す言葉として、よく使われています。

ただ、この割合、少し変わってきています。
最新の状況ですと、新規学卒就職者(平成30年3月卒業者)の就職後3年以内の
離職率は新規中卒就職者は55.0%、新規高卒就職者で36.9%、新規大卒就職者で
31.2%となっています。
これで「七五三」というのは、ちょっと無理があります。
ただ、一般的には「七五三」という言葉は使われているので、
実際の割合は違っているということ知っておきましょう。