社会保険労務士講座の講師ブログ

保険料の前納

今年、今日を含めて残り10日です。
1年、あっという間だったと感じている
フォーサイト専任講師の加藤です。

さて、令和4年度の試験について、受験された方はご存じでしょうが、
択一式で2問、出題ミスがありました。
出題ミスはときどきあります。
今回は、この出題ミスとされた問題の1つについて見てみます。

3月31日に会社を退職し、翌日に健康保険の被保険者資格を喪失した者が、
4月20日に任意継続被保険者の資格取得届を提出すると同時に、4月分から
翌年3月分までの保険料をまとめて前納することを申し出た。この場合、
4月分は前納保険料の対象とならないが、5月分から翌年の3月分までの
保険料は、4月末日までに払い込むことで、前納に係る期間の各月の保険料
の額の合計額から、その期間の各月の保険料の額を年4分の利率による複利
現価法によって前納に係る期間の最初の月から当該各月までのそれぞれの期間
に応じて割り引いた額の合計額(この額に1円未満の端数がある場合において、
その端数金額が50銭未満であるときは、これを切り捨て、その端数金額が
50銭以上であるときは、これを1円として計算する)を控除した額となる。

これは健康保険法の前納に関する問題で、前納する額の部分が論点で、
誤っています。
どの点が誤りなのか、わかりますか。

前納すべき額は、当該期間の各月の保険料の額から政令で定める額を控除した額と
されています。
この「政令で定める額」が「前納に係る期間の各月の保険料の合計額から、その期間
の各月の保険料の額を年4分の利率による複利現価法によって前納に係る期間の最初
の月から当該各月までのそれぞれの期間に応じて割り引いた額の合計額(この額に
1円未満の端数がある場合において、その端数金額が50銭未満であるときは、これを
切り捨て、その端数金額が50銭以上であるときは、これを1円として計算する)を
控除した額」です。

つまり、試験問題では、「政令で定める額」を前納すべき保険料としているのです。
この誤り、気が付き難いので、再び出題されたときに、間違えないようにしましょう。