社会保険労務士講座の講師ブログ
時効

暦の上では、すでに冬ですが、
実際には、まだ冬という感じではありませんね。
これから少しずつ寒さが増していくでしょうが。

フォーサイト専任講師の加藤です。

さて、今回は「時効」についてです。
多くの法律には時効の規定があります。
この時効に関して、「時効の中断」という言葉があります。
この「時効の中断」とは、
法定の中断事由があったときに、それまでに経過した時効期間がリセットされ、
改めてゼロから起算されることで、その事由が終了した時から新たな時効期間
が進行するというものです。
つまり、この「中断」の効果としては「完成の猶予」と「新たな時効の進行
(時効期間のリセット)」の2つがあります。
そのため、わかりにくいという面があったことから、わかりやすくするための
改正が行われています。

具体的には、従来、「時効の中断」とあったのを、「時効の完成猶予及び更新」と
するというものです。

では、「完成猶予」や「更新」というのはどのようなものなのかといえば、
「時効の完成猶予」とは、一定の事由(完成猶予事由)が発生した場合に、所定の
期間が経過するまで時効の完成を猶予する制度をいいます(時効の完成猶予は、
時効の完成をしばらく先延ばしにする効果しかありません)。

これに対して「時効の更新」とは、一定の事由(更新事由)が発生した場合に、
それまで経過していた時効期間がまったく無意味になり、新たな時効期間の進行
が開始する制度をいいます。

これらの語句は、今後、選択式で空欄にされるということもあるので、
正確に覚えておきましょう。