危険物取扱者乙種4類講座の講師ブログ

過去問「場所に関する規制」各論的な問題②

みなさん、こんにちは。
フォーサイト専任講師の姥谷です。

前回は、貯蔵所全般に関する過去問を中心に紹介しましたので、今回は、その過去問についての解説を行っていきたいと思います。

それでは、前回の過去問を振り返っていきましょう。

法令上、危険物の貯蔵の技術上の基準について、次のうち誤っているものはどれか。

1.屋外貯蔵タンクに設けてある防油堤の水抜口は、通常は閉鎖しておかなければならな
い。
2.屋外貯蔵タンクの元弁は、危険物を入れ、又は出すとき以外は、閉鎖しておかなけれ
ばならない。
3.地下貯蔵タンクの計量口は、計量するとき以外は閉鎖しておかなければならない。
4.簡易貯蔵タンクの通気管は、危険物を入れ、又は出すとき以外は閉鎖しておかなけれ
ばならない。
5.移動貯蔵タンクの底弁は、使用時以外は閉鎖しておかなければならない。

この問題は、前回少し触れたように特定の貯蔵所についてというわけではなく、貯蔵所全般について、問われています。

これらの選択肢については、各貯蔵所の設備について「○○以外は、閉鎖しておかなければならない(選択脚1についても表現こそ違うものの論点は同じ)」という点が問われています。

この点に関して、各設備は、原則:閉鎖、例外:開放という関係があるということです。

しかし、選択肢4の通気管については、上記の「原則」と「例外」の関係は当てはまりません。

なぜなら、通気管の役割はタンク内の圧力変化を防ぐものであり、常に開けておく必要があるからです。
よって、簡易貯蔵タンクの通気管は、危険物を入れ、又は出すとき以外という例外はなく閉鎖するということはないため、誤りとなります。

確かに危険物取扱者の試験は、暗記要素が強い傾向にありますが、この問題のように理屈が分かっていれば、正解を導き出せるものもあります。

今回は、前回にご紹介した過去問の解説を行いましたので、次回からは、取扱所についてご紹介していきたいと思います。