みなさん、こんにちは。
フォーサイト専任講師の姥谷です。
前回までで「危険物の分類」に関して全類の特徴についてご紹介しましたので、今回からは、「第4類の共通事項」についてご紹介していきたいと思います。
この共通事項は、これから第4類の個別の物品を見ていくに当たって、その前提となる部分であり、①性状、②消火方法、③貯蔵・取扱いの3つのテーマに関して見ていきたいと思います。
今回は、この3つのテーマのうち、「性状」についてご紹介します。
第4類危険物は可燃性であり、常温(20℃)では液状で火災の危険性を高める以下のような性質を有しています。
▪引火性があり、静電気の火花により引火するものがある
▪すべて蒸気が空気より重く(蒸気比重が1より大きい)、低所に滞留しやすい
▪蒸気は、燃焼範囲を有し、空気とわずかに混合しても燃焼するものが多い
▪水に溶けない(非水溶性)ものが多く、流動、かくはんなどにより静電気が発生し、蓄積しやすい
▪水に浮く(液比重が1より小さい)ものが多く、火災のとき注水すると、水の上に広がり燃焼面積が広がる危険性がある
この共通事項を前提として暗記しておくことによって、これから第4類の危険物の個別の物品についての暗記量を減らすことができます。
例えば、「水に浮く(液比重が1より小さい)ものが多く、火災のとき注水すると、水の上に広がり燃焼面積が広がる危険性がある」という性状は、第4類の危険物においては、原則として液比重が1より小さく、液比重が1より大きいものは、例外ということです。
そのため、第4類危険物のうち、個別の物品を見ていくに当たって、この例外に当たる危険物を意識して暗記するのが効率的といえます。
今回は、「第4類の共通事項」のうち「性状」についてご紹介しましたので、次回は、「第4類の共通事項」のうち「消火方法」についてご紹介していきたいと思います。