みなさん、こんにちは。
フォーサイト専任講師の姥谷です。
前回は「特殊引火物」の一般的な内容についてご紹介しましたが、今回は、特殊引火物のうち「二硫化炭素」について見ていきたいと思います。
二硫化炭素は、溶剤や殺虫剤、ゴムの加硫促進剤、他の化学物質を作るための原料などとして幅広く利用されています。
セロハンやレーヨンの製造過程などで使用されることがある物質であり、以下のような特徴があります。
▪発火点が第4類危険物中で最も低く(90℃)、高温の蒸気配管等と接触するだけでも発火する危険性がある
▪有毒な蒸気を発生する
▪不快臭がある(純粋なものはほとんど無臭)
▪水より重く(液比重が1より大きい)、液比重が第4類危険物の中で最も大きい(グリセリンと同じく1.3)
▪水に溶けない
▪燃焼すると有毒な亜硫酸ガス(二酸化硫黄)を発生する
前回、特徴としては、①水より重いか軽いか、②水に溶けるかとけないか、という2点については、試験対策において重要であるということをご紹介しました。
二硫化炭素は、水より重く、水に溶けないため、火災予防として水中保存が適しています。
このように以上の2点が分かっていれば、自ずと、火災予防の方法として何が適しているかと言うことも合わせて押さえることができます。
今回は、特殊引火物のうち「二硫化炭素」についてご紹介しましたが、次回は、特殊引火物のうち、「アセトアルデヒド」についてご紹介していきたいと思います。