危険物取扱者乙種4類講座の講師ブログ

酢酸エチルとは

みなさん、こんにちは。

フォーサイト専任講師の姥谷です。

前回は第1石油類のうちエチルメチルケトン(メチルエチルケトン)についてご紹介したので今回は、第1石油類のうち「酢酸エチル」について見ていきたいと思います。

酢酸エチルは、パイナップルやバナナ等の果実油に含まれています。シンナーやラッカーなどの溶剤の他、エッセンスなど食品添加物の成分としても利用されており以下のような特徴があります。

特徴 

▪引火点が低い(-4℃)

▪果実のような芳香臭がある

▪水より軽い(液比重が1より小さい)

▪水にわずかに溶ける(区分は非水溶性)

酢酸エチルについては、本試験でも出題実績がほとんどありません。そのため、特段これを意識して覚えて下さいという特徴は、酢酸エチルに関してはありません。

そのため、今回は、水溶性と非水溶性についての内容を確認しておきたいと思います。

なお、水溶性と非水溶性の区別というのは、単純に水に溶ける・溶けないという区別ではありません

これまで特殊引火物と第1石油類のいくつかをご紹介してきましたが、特殊引火物にない分類の仕方として、第1石油類には、水溶性と非水溶性の区別があり、この点が本試験でも良く出題されるということをお伝えしました。

しかし、厳密に水溶性と非水溶性の区別については、法令科目でかなり以前にご紹介したきりなので、改めて説明したいと思います。

▪水溶性液体:1気圧において、温度20℃で同容量の純水と緩やかにかき混ぜた場合に、流動がおさまった後も当該混合液が均一な外観を維持するものであることをいいます。

▪非水溶性液体:水溶性液体以外の液体をいいます。

したがって、前回ご紹介したエチルメチルケトンや今回ご紹介した酢酸エチルは、「水にわずかに溶ける」という特徴があるものの、上記の水溶性液体の定義に該当しないため、区分の上では、「非水溶性」になります

今回は、第1石油類のうち酢酸エチルについてご紹介しましたので、次回は、第1石油類のうち「アセトン」についてご紹介していきたいと思います。