危険物取扱者乙種4類講座の講師ブログ

重油とは

みなさん、こんにちは。
フォーサイト専任講師の姥谷です。

前回は、「第3石油類の総論」についてご紹介しましたので、今回は第3石油類のうち「重油」について見ていきたいと思います。

前回紹介した通り、第3石油類の中では、重油の出題頻度が高いため、優先的に学習してください。

重油とは、沸点が300℃以上の原油留分のことです。
日本工業規格(JIS)では、重油を粘り(動粘度)の少ない順に、1種(A重油)、2種(B
重油)および3種(C重油)に分類されています。また、引火点は1種(A重油)及び2
種(B重油)は60℃以上、3種(C重油)は70℃以上
と違いがあり、以下のような特徴があります。
 
▪一般に褐色または暗褐色の粘性のある液体
▪数種類に分類されていて、それぞれ引火点が異なる
発火点は250~380℃である
▪霧状のものは燃焼しやすい
▪燃焼時の発熱量が多く液温が高くなるため、消火が困難である
▪不純物として含まれている硫黄が燃焼すると、亜硫酸ガス(二酸化硫黄SO₂)になる
▪臭気がある
▪電気の不導体で、静電気が発生しやすい
▪水より軽い(第3石油類で水より軽いのは、重油のみ)
▪水に溶けない(非水溶性)

原油は高温で蒸留することにより、一定の割合でガソリン、灯油、軽油などの石油製品の留分が生産され、重油もそのうちの一つになります。

重油は、粘度によって、3種類に分類されますが、引火点は、60℃以上、または70℃以上となっており、発火点の250~380℃とは大きく異なります。

発火点は、引火点よりは常に高いということは、すでにご紹介した通りですが、しっかりと数字を押さえておいてください。

今回、第3石油類のうち「重油」についてご紹介しましたので、次回は第3石油類のうち「クレオソート油」についてご紹介していきたいと思います。