危険物取扱者乙種4類講座の講師ブログ

燃焼の難易とは

みなさん、こんにちは。
フォーサイト専任講師の姥谷です。

前回は、「燃焼の区分」のうち関連知識についてご紹介しましたので、今回は燃焼の基礎のうち「燃焼の難易」について見ていきたいと思います。

燃焼の難易は、着火のしやすさと燃焼継続性について、以下のように7つの点からとらえることができます。体膨張率や蒸発熱(気化熱)は燃焼の難易とは関係しません

なお、体膨張率とは、物質の温度を1℃上げたときの膨張後の体積と膨張前の体積比のことをいい、蒸発熱とは、液体1gが蒸発するときに吸収する熱量で、気化熱ともいいます。

①酸化のされやすさ
可燃物と酸素との結合力が大きいものほど燃焼しやすくなります。

②発熱量
発熱量の大きいものほど、分子の活性化に役立ち、反応温度の面からみても燃焼しやすくなります。

③周囲の温度
温度が高いと反応速度も大きく、また発火点に達しやすいので燃焼しやすくなります。

④空気との接触面積及び酸素濃度
空気との接触面積が大きいほど、酸素の供給が十分おこなわれるので燃焼しやすくなります。また、空気中の酸素濃度が高いほど激しく燃焼しやすくなります。

⑤熱伝導率
熱伝導率が大きいほど、熱が逃げやすいため燃焼しにくくなります。逆に小さいほど、熱が逃げにくく蓄熱するため燃焼しやすくなります。

⑥可燃性ガスの発生
可燃性ガスの発生速度が速いほど、燃焼しやすくなります。

⑦含水量
水分が多いと、温度上昇が妨げられ、また水自身は不燃性であるため、燃焼しにくくなります。つまり、乾燥しているほど燃焼しやすくなります。

今回は燃焼の基礎のうち「燃焼の難易」について、ご紹介しましたので、次回は、燃焼の基礎のうち「燃焼範囲(爆発範囲)」についてご紹介していきたいと思います。