危険物取扱者乙種4類講座の講師ブログ

混合危険とは

みなさん、こんにちは。
フォーサイト専任講師の姥谷です。

前回は、燃焼の基礎のうち「ヨウ素価」についてご紹介しましたので、今回は燃焼の基礎のうち「混合危険」について見ていきたいと思います。

危険物の中には、混ぜると発火・爆発のおそれを生じる危険な組み合わせがあります。これを混合危険といい、2種類以上の物質が混合したものに、加熱・衝撃・摩擦等を加えることで発火や爆発のおそれがあります。
混ぜると危険を生じる組み合わせには、以下のように4つあります。

①酸化性物質と還元性物質との混合
酸化性物質とは、酸素を放出し相手を酸化させる物質のことで、第1類危険物および第6類危険物が該当します。

また、還元性物質とは、酸素を受け取り、相手を還元させる物質で、第2類危険物および第4類危険物が該当します。なお第2類と第4類の危険物は、可燃性物質であり還元性物質でもありますが、混合した場合に必ず混合危険が起こるわけではありません
酸化性物質と還元性物質を混合し、加熱・衝撃・摩擦を加えると発火・爆発の危険があります。

②酸化性塩類と強酸との混合
酸化性塩類には、第1類危険物の塩素酸塩類や過塩素酸塩類、過マンガン酸塩類が該当します。
また、強酸には、硫酸や濃硝酸等が該当します。
両者を混合すると、不安定な遊離酸が生成し可燃物を発火させます。また、それ自身も自然分解し爆発することがあります。

③爆発性物質を作る場合
物質同士が化学反応を起こして爆発性物質を生成する場合があります。組み合わせとしては、以下の例があります。
▪ピクリン酸+金属 ➡ ピクリン酸の金属塩
▪アジ化ナトリウム+重金属 ➡ 重金属のアジド(アジ化物)

④水との接触
アルカリ金属の過酸化物(第1類危険物 無機過酸化物)は、大量の水と反応し、爆発する危険性があります。
また、金属粉(第2類危険物)や禁水性物質(第3類危険物)は水と接触することで水素ガス(可燃性)を発生し、反応熱によって発火します。

以上、4つの混合危険のうち、特に本試験で問われやすい①酸化性物質と還元性物質との混合を優先して押さえると良いと思います。

今回は燃焼の基礎のうち「混合危険」について、ご紹介しましたので、次回は、燃焼の基礎のうち「粉じん爆発」についてご紹介していきたいと思います。