危険物取扱者乙種4類講座の講師ブログ

消火剤の種類とは③

みなさん、こんにちは。
フォーサイト専任講師の姥谷です。

前回は消火に関する基礎のうち「消火剤の種類」について見ていきましたので、今回も「消火剤の種類」についてご紹介していきたいと思います。

④ガス
ガスは、泡消火剤と同様に燃焼物を覆うことによって生じる窒息効果によって消火します。ガス消火剤には、二酸化炭素によるものとハロゲン化物によるものがあります。また、ハロゲン化物消火剤には、抑制効果もあります。

⑤粉末
粉末消火剤は、薬剤の窒息効果と抑制効果によって消火します。ナトリウム、カリウムの重炭酸塩その他の塩類またはリン酸塩類、硫酸塩類などを主成分として構成されており、主成分の種類により着色されています。消火作用としては、窒息効果と抑制効果 (負触媒効果)があります。
また、吸湿固化を防止するため、粉末の表面にシリコン樹脂等により防湿処理がなされています。
粉末消火剤には、炭酸水素塩類によるものとリン酸塩類によるものがありますが、主成分の違いにより適応できる火災の種類が異なります。

〇炭酸水素塩類
炭酸水素ナトリウムを主成分としたもの、炭酸水素カリウムを主成分としたもの、炭酸水素カリウムと尿素を主成分としたものがあります。

〇炭酸水素ナトリウム(NaHCO₃)の特徴
加熱して分解すると、炭酸ナトリウム(Na₂CO₃)と水(水蒸気)と二酸化炭素が発生します。炭酸水素ナトリウムは白色の粉末で、水に溶けると弱塩基性を示します。また、塩酸を加えると二酸化炭素が発生します。

〇リン酸塩類
リン酸二水素アンモニウム(NH₄H₂PO₄)を主成分とします。窒息効果と抑制効果があります。薬剤が電気の不良導体なので電気火災(C火災)にも対応します。

今回は消火に関する基礎のうち「消火剤の種類」をご紹介したことにより、「消火に関する基礎」を一通り見たことになりますので、過去問をご紹介する前に次回は、「本試験の実施状況」についてご紹介していきたいと思います。