公務員試験受験を検討されておられる方の中には、
「公務員試験一本!!!」という方もいらっしゃれば、
「就職活動では民間企業と併願」あるいは
「公務員は転職活動の転職先のひとつ」という方もいらっしゃることでしょう。
今回は、特に大学生の方から多く質問をお受けする、
「数的処理とSPIの違い」について、学習面にしぼってひも解いていきます。
①論点の違い
まず、数的処理とSPI(非言語)の論点の異同について検証します。
どちらの試験とも、問題が完璧に公開されているわけではないので、
一般的に対策をする論点で整理しました。
主に数的処理 | 学習範囲が重なる | 主にSPI |
・比 ・濃度算 ・図形の面積・体積 ・空間図形全般 ・資料解釈問題全般 ・「重なる」に分類しなかった判断推理の論点 |
・速さ ・順列、組合せ、確率 ・損益算 ・整数問題 ・仕事算(分割払い) ・集合 ・「順位」に関する推論 ・「試合」に関する推論 ・「位置関係」に関する推論 |
・代金の精算 ・ブラックボックス ・グラフの領域に関する問題 ・モノの流れと比率 ・長文読み取り |
論点の比較のために、あえて分類しましたが、例えば、「主にSPI」として分類されている論点も、使用する算数の知識および解法としては、大半が公務員試験の数的処理で網羅されています。
つまり、関係を図で表わすと次のようになります。
②求められるスキルの違い
数的処理が1問5分前後で解答することが許容されている一方で、SPIについては1分程度で処理することが必要です。
その意味で、計算スキルや暗算についてはSPIの方が重要になってきます。一方で、公務員試験では、文章題の中から必要な要素を抜き出し、数式として整理する能力が求められます。
それでは、数的処理の学習では「計算スキルや暗算能力」が要請されないかというとそんなことはありません。「資料解釈」分野を学ぶ際には必ず、計算のショートカットスキルや「数値に対する視点」が重要になります。膨大な資料から選択肢5つを検討するためには、「ゆっくり計算する」というスタンスでは非常に厳しくなってきます。
その意味で、必要な計算スキルについても数的処理の学習で、ほぼ網羅できていると言ってよいでしょう。
また、①で「重なる」と分類した論点について、レベルは数的処理の方が間違いなく上です。
1問にかけられる時間が異なるのもあるでしょうが、
問題文の作りこみ方のいやらしさや情報量の多さは数的処理が何枚も上手です。
まとめると、
・論点としては、重なる部分が多い。
・レベルとしては数的処理の方がずっと上。
・数的処理をやっていれば、SPIは基本的に大丈夫。
となります。
ところで、公務員試験を受験される方の中には、
「教養型の試験対策で数的処理を学習しているが、志望先のひとつがSPI型の試験がある」
「民間企業との併願を考えているので、別途SPIの勉強をする必要があるのか?」
という不安をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
そのような場合は、数的処理の学習を優先していただければ結構です。
その上で、SPIについては、補足する形で対応できます。
具体的な学習時間のイメージとしては、
「数的処理の勉強をきちんとやっていれば、SPIについては週末を一回使って微調整でOK!!!」というレベルです。