年金アドバイザー3級講座の講師ブログ

在職老齢年金って何?その1

在職老齢年金の廃止が検討」というニュースが、ときおり、世間を騒がせます。それに対して、「年金をカットするなんて最低だ」「保険料を払っているのに、何てことだ」といった反応を示される方が、一定数いらっしゃいます。

 確かに、「年金」と「廃止」がセットで表記されると、あたかも「年金カット」であるかのように聞こえてしまうので、反応としては分からなくもありません。

 しかし、「在職老齢年金」とは、老齢年金を受給している人が、同時に働いて給与収入を得ている場合に、その年金受給額と給与収入の額が一定額を超えると、年金の支給を減らすというものです。「そんなに稼いでいるんだから、年金は満額払わなくてもいいよね」という趣旨の制度なのです。

 それを廃止するということは、何を意味するでしょうか。少なくとも「年金カット」ではないですよね。むしろ、老齢年金を受給している人にとっては、働いても年金が満額もらえるということなので、良いことなのです。だからといって、皆が手放しで喜べるものでもありません。

 次回以降は、在職老齢年金について、その廃止が何を意味するのかを含め、詳しく検討していきたいと思います。