簿記講座の講師ブログ

米中貿易戦争の行方は?

皆さん、こんにちは!
簿記講座担当の小野です。
連休中も少しだけがんばりましょうね!

おぉ~、恐いです。
米中貿易戦争の行方。

アメリカが輸入される鉄などに25%の関税をかけるといえば、
中国は輸入される豚肉などに25%の関税をかけるといい、
それならばアメリカは他の品目にも関税をかけるといいだし、
それに対して中国も品目追加…。あぁ、どうなってしまうのでしょう。

いろんな波及経路があるとは思いますが、一つの経路としては、

輸入物価の高騰 → 米景気停滞 → 金利引下げ → 円高 → 日本の景気悪化

という可能性が高いでしょうか?

アメリカが輸入されるモノに関税をかけると、そのモノのアメリカ国内での値段が上がります。
鉄は実に様々なモノに使われていますから、鉄の値段が上がると様々なモノの値段が上がります。
材料である鉄の値段が25%上がると、その鉄を使った最終製品の値段も上がるでしょう。

モノによって違うと思いますが、5%前後の値上げになる可能性もあります。
鉄を使った様々なモノの値段が5%くらい上がるんです。
特定のモノ値段が5%上がるだけではなく、
鉄を使っている実に様々な製品の値段が上がるんですね。
そこがポイントです。

そうなると物価全体が上がる格好になってしまい、消費者は買い物を手控えざるを得なくなります。
景気後退ですね。景気が後退すれば、景気を刺激するために金利を引き下げるのがセオリーです。
借金しやすくするわけですね。日本でも住宅ローン金利を引き下げて住宅を購入しやすくしたりしてます。 

アメリカの金利が下がるとドルを預金しているときにもらえる利息が少なくなります。
そうなるとドルを持っている投資家はドルから他の通貨に代えようとします。
そのときの筆頭候補が円です。円の金利は低いですが、なぜか安全通貨と言われていて、
経済的な事件が起こったときに多くの投資家が買いたいと殺到する通貨なんです。
ですから、アメリカの景気が悪くなるという経済的な事件が起こると円が買われ、円高になるでしょう。

円高になれば過去のパターンの繰り返しですね。
日本には円高不況という言葉があるくらい、円高は日本にとっていいことではありません。
円高になると海外に製品を売ったときに得られるお金の価値が下がります。

ですから、企業にとってみれば、円高になると取り分が減るんです。
そうなるとリストラが始まり、そこではじめて私たちの個人の財布に悪影響が及び始めます。
リストラされた人が日本国内での買い物を減らすでしょうから、
日本国内で商売としている企業の業績も悪くなり、その企業でもリストが始まるからです。

というように、米中の貿易戦争(鉄への課税)が、
円高を通じて、私たち日本人の生活レベルを下げてしまいます。

頼む! 貿易戦争はやめて下さい!