簿記のスペシャリストによるこっそり裏講義

インバウンド消費はまだ伸びる?

皆さん、こんにちは!
簿記講座担当の小野です。
はやく夏休みが来ないかなぁ。

日本政府は今、2020年の訪日外国人旅行者数を4,000万人、
訪日外国人旅行消費額を8兆円とする目標をたて、突き進んでいます。
昨年の旅行者数は2,869万人、消費金額は4兆4,162億円と順調に伸び続け、
目標に向けて着実に進んでいるようにも見えるのですが…、これって順調なんでしょうか? 

今後、さらにインバウンド消費を増やすことが出来るんでしょうか?

私個人的には、増やすことが出来る可能性があると思っています。
ただ、世界有数の観光地と比べると日本には圧倒的に弱い点があるので、
そこをフォローすることが先決です。

まずは、現状をチェックしてみましょう。
全世界の観光客数トップはアメリカです。7,560万人の旅行客が訪れます。日本の3倍です! 
でも圧倒的なのは人数だけではありません。アメリカへの旅行客1人が使うお金は約300,000円と、
1人あたりの消費単価も圧倒的です。

日本への旅行者は2,869万人、消費金額は4兆4,162億円ですから、
1人当たりの消費単価は153,000円とアメリカの半分です。
アメリカへの旅行客は、人数で日本の3倍、単価で日本の2倍ですから、
アメリカは日本の6倍の観光収入を得ているということですね…。恐るべし!

なお、2013年の日本への旅行者の1人当たり消費金額は136,000円でしたので、
ここ4年で単価が上がっているように見えますが、同じ期間に為替レートが同じくらい(それ以上に?)
円安方向へ変わっているので(2013年1ドル95円くらい→2017年1ドル110円くらい)、
外国人にとっての実質な消費額はほとんど変わっていない状況だと思われます。

アジアも見てみましょう。アジアトップは、残念ながら日本ではなくタイです。
3,255万人の旅行客が訪れ、平均消費単価は170,000円くらいです。
ただ、タイの物価水準を考えると、実質的には、タイの消費単価は日本よりも圧倒的に高水準といえるでしょう。

このように、観光のトップレベルとの差は人数だけではなく単価にもあると思われます。
日本政府は2020年に旅行者数4,000万人、消費金額8兆円を目指すとしているのですから、
1人当たりの消費単価を200,000万円にまで伸ばすつもりです。現状から3割くらいのアップです。

では、どのようにすれば消費単価を伸ばせるでしょう?
でも、単価を上げるっていっても、すでにいろいろがんばっているし、
単価を3割アップにするなんて難しいのではないかなとも思われます。

実は、日本の観光地では、コト消費などのコンテンツ以外に大きな問題があるとおもわれます。
観光庁が行った外国人旅行者アンケートで、「旅行中困ったこと」を聞いてみると…、
 
1位:Wifiがない。37%。目的地までの経路情報が入手できない20%を含めると57%。
2位:コミュニケーション(言葉が分からない)。24%。
3位:クレジットカードなどが使えない。16%(地方では35%)。

まぁ、2位はおいといて、旅行者が感じているのは
「行きたい観光地へ行けない、行ってもお金を使えない」という困りごとなんです。
ですから、ここに手をさしのべ、「行く」「使う」にスムーズさを提供すれば、
かなりの確率で消費単価アップが可能だと思います。

そして、その対策はそう難しくありません。だって、機器を設置するだけですから。
まずは、旅行者がいろんな所へスムーズに行けるようにWifiの設置から始める必要があります。

観光地へスムーズに行ってもらうためのコストは
Wifiアクセスポイント+通信料です。
これはたいしたコストじゃないでしょう。

そして、クレジットカードを使える環境を構築します。
例えば、田舎の食堂においしい郷土料理がたくさんあるけど、
田舎の食堂でクレジットカードが使える可能性ってとても低いですよね。
クレジットカードが使えれば、
「あまりお腹減ってないけど、せっかくだから食べていこうか」
的な消費をゲットできる確率がグッと高まるんです。

いずれも機器を設置さえすれば、特別な努力などは必要ありません。
少しのコストを負担するだけでできる対策です。
といっても、増えたコストは十分回収できることでしょう。

このように、インバウンド消費アップのカギはWifiとクレジットカードです。
お金が使いやすくなれば、2020年のオリンピックも楽しみになるはず!
と思うのは私だけではないはずです。



小野正芳

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