簿記のスペシャリストによるこっそり裏講義

皆さん、こんにちは!
簿記講座担当の小野です。
今日もがんばっていきましょう!

世界中で金利が少しずつ上がっていますね。
日本では日銀が金利ゼロ政策をやめましたし、
景気絶好調のアメリカでは3%くらいになっています。

しかし、世界を見渡してみるととんでもないことになっている国があります! 
なんと、トルコは20%、アルゼンチンにいたっては60%です。
ここまで金利が上がるというのは尋常じゃないですよね! 
いったい何が起きているのでしょうか? 

トルコ・アルゼンチンといった新興国といわれる国は経済が急拡大していて、
国内のお金だけでは足りない状況です。
経済の基本は、企業が人々にモノ・サービスを提供するということです。
トルコ・アルゼンチンは今からもっと豊かになろうという国で、
国内のモノの需要もかなり増えている状況ですから、
企業は人々のモノの需要に応えるために、設備投資などをドンドン行ったり、
たくさんの活動資金を確保する必要があります。

しかし、その活動資金を国内のお金だけで確保できず、
外国からお金を借りないと経済を回せない状態になっているわけです。

トルコ・アルゼンチンの企業は外国の投資家に株式を買ってもらったり、
お金を借りたりしています。政府も、国債を発行し外国人からお金を借りています。
必要資金の約半分を外国人、特にヨーロッパの銀行に頼っている状況です。
トルコ・アルゼンチンがうまくやっているときは外国人はどんどん貸してくれますが、
「トルコ・アルゼンチンはヤバいぞ!」ってなったらすぐに返せとなりますよね。
つまり、外国人達の気持ちがトルコ・アルゼンチンの経済を左右してしまう状態になってしまっちゃってます。

そもそも外国人達が「トルコ・アルゼンチン、ヤバいぞ!」って、
思うようになったきっかけは、アルゼンチンの場合は20%を超える物価上昇、
トルコの場合はトランプ大統領とのケンカです。

アルゼンチンは景気が結構よくて物価上昇気味でしたが、
中央銀行が物価引締策を取らずに放置しました。
物価上昇とは例えばジュースが100円から120円に値上がりすることであり、
これは、お金の価値が下がるということです。

誤解しているケースもあるのですが、物価上昇とはお金の価値の下落なんです。
ジュースの価値は不変ですが、そのジュースを手に入れるために必要なお金が1
00円から120円に増えるのですから、お金の価値が下がったということです。

アルゼンチンにお金を貸している外国人は、
価値が下がったアルゼンチンペソを持ち続けたくないから、
さっさと、ペソからユーロやドルに替えようとするでしょう。
そのために貸したお金を回収します。

トルコの場合は、トランプさんのトルコ制裁がきっかけですね。
「牧師を解放しろ! 解放しなければ追加制裁するぞ!」って。
それでトルコリラの価値が下がり、
トルコに貸している外国の銀行が焦って貸付金を回収し、
リラをユーロ・ドルに替えてる状況です。
 
このように、トルコ・アルゼンチンの経済は外国からの借金で成り立っていたのに、
外国人達はトルコ・アルゼンチンに貸すどころか、どんどん回収している状況なんです。

でも、経済活動を継続するために外国人からお金を借り続ける必要がありますから、
金利を高くしてペソ・リラの価値を高めないといけません。
今は、そのために20%・60%という金利が必要ということです。
はやく何とかしないとトルコ・アルゼンチンがデフォルト(「借金返せません!」宣言。
要は、借金を踏み倒すということ)になってしまって、
ギリシャ危機の再来になるかもしれません。

となると、日本も借金が多いので心配になるところですが、
日本の場合、トルコ・アルゼンチンのようなことになる心配はあまりなさそうです。
借金が多いのは政府で、そこに貸し付けているのはほとんどが日本人ですから、
日本人が政府から借金を回収しても、それは円のまま日本の銀行に預金され、
銀行経由でまた政府に貸し付けられます。つまり、国内でお金がグルグル回るだけです。

また、企業はすでに成熟していて、外部から活動資金を集める必要がほとんどありません。
企業は史上最高の金余り状態で、現預金だけで200兆円以上持ってます! 
日本人は貯蓄好きですから、国民の貯蓄が銀行に集まり、
銀行から企業・政府に貸し出されていて、日本人が政府・日本企業を支えている。

ただ1点注意が必要です。それは、貯蓄が高齢者に偏っている点です。
高齢者が亡くなると、貯蓄は若い世代に相続されます。

しかし、若い世代の年収水準は少し低いので、
受け継いだ貯蓄を使ってしまうかもしれません。
だから、日本では、NISAなど若い人が投資する機会を多く作って、
受け継いだ貯蓄を減らさないような仕組み作りが行われているところです。

何か危機が起こるとそれに対応することも重要ですが、
自分に危機が起こったときにやり過ごせるような体制作りもとても大切です。
自分を取り巻く経済的な要素はいろんな危機に対応できるか
今一度点検してみようと思います。



小野正芳

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