簿記のスペシャリストによるこっそり裏講義

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皆さん、こんにちは。 
簿記講座担当の小野です。
GWも明けました! 仕事・勉強モードに戻しましょう!

今回は貸借対照表の数字の求め方について取り上げます。
2級の第3問で貸借対照表の作成を求められる問題があります。しかし、貸借対照表をすべて埋めるためには、純資産の部の「繰越利益剰余金」の数字を計算しなければならず、この数字は当期純利益を計算しなければわかりません。また、負債の部の「未払法人税等」も当期純利益の一定割合から決められる金額ですから、当期純利益が分からなければ「未払法人税等」の金額もわかりません。結局、「貸借対照表を作りなさい」という問題は、「損益計算書も作りなさい」という問題であり、とても時間のかかる問題となってしまうんです。

そこで、「損益」勘定を作成せずに(収益・費用以外から)問題を解けないかと考える訳ですが、「未払法人税等」と「繰越利益剰余金」を求める場合、貸借対照表の貸方で逆算して計算する方法もあります。ただし、「未払法人税等」と「繰越利益剰余金」が正しく計算されている必要がありますが。
 
税引前当期純利益のうち40%が法人税として支払われ、残り60%が繰越利益剰余金として繰り越されます。税引前当期純利益をxとすると、法人税として支払われるのが0.4x、繰越利益剰余金に加算されるのが0.6xとなります。よって、貸借対照表の「未払法人税等」と「繰越利益剰余金」は次のように計算できます(「仮払法人税等」が140,000円、決算整理前の「繰越利益剰余金」が1,400,000円の場合)。

 法人税等(0.4x)-仮払法人税等(残高試算表)=未払法人税等(貸借対照表)
     未払法人税等 = 0.4x-140,000

 繰越利益剰余金(残高試算表)+当期純利益(税引後)=繰越利益剰余金(貸借対照表)
   繰越利益剰余金(貸借対照表) = 1,400,000+0.6x

これらをもとに貸借対照表の貸方で、貸借差額を利用して逆算します。

負債の部合計 + 純資産の部合計 = 資産合計
負債項目+未払法人税等+純資産項目+繰越利益剰余金=資産の部合計
  
  負債項目合計:11,028,350円
  純資産項目合計:9,230,000円
  資産の部合計:22,118,350円 と正しく計算できたとすれば、

 11,028,350+(0.4x-140,000)+9,230,000+(1,400,000+0.6x)=22,118,350
   x=600,000円

よって、
   未払法人税等=0.4x-140,000=0.4×600,000-140,000=100,000円
   繰越利益剰余金=1,400,000+0.6x=1,400,000+0.62×600,000=1,760,000円
と求めることができます。

ただし、貸借対照表の「未払法人税等」「繰越利益剰余金」以外の数値が間違っていると、「未払法人税等」や「繰越利益剰余金」を正しく求めることはできません。「損益」勘定を作らずに「繰越利益剰余金」などを求めようとする場合には、その点に注意しましょう。



小野正芳

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