簿記講座の講師ブログ

よくあるご質問 -売上原価計算のための仕訳と損益計算書-

皆さん、こんにちは。
簿記講座担当の小野です。
湿めっぽい日が多くなってきました。体調管理にはお気を付けて!

2級では損益計算書を区分表示しなければなりません。
 Ⅱ売上原価の区分では、売上原価の計算どおり、構成要素を並べて書いていきます。
  
  売上原価=期首商品+当期仕入-期末商品

Ⅰ 売上高 6,580,000
Ⅱ 売上原価
1 期首商品棚卸高 330,000
2 当期商品仕入高 + 5,450,000
合  計 5,780,000
3 期末商品棚卸高 - 360,000
差  引 5,420,000
4 棚卸減耗損 4,800
5 商品評価損 2,220 5,427,020
売上総利益 1,152,980

 現実の損益計算書では「+」「-」マークは書いてありませんが、上記の計算式の通り、加減算します。

 このの計算を行う“勘定”が「仕入」勘定です。「仕入」勘定で上記の加減算が行われるように処理します。
 
 「仕入」勘定にはすでに当期の仕入高が借方に記入されています。
 ということは「仕入」勘定の借方に期首商品分の金額を加算すればいいですね。
 ですから、おなじみのこの仕訳が行われます。
 
  (借)仕  入 330,000 (貸)繰越商品 330,000

 この仕訳が損益計算書のⅡ売上原価に期首商品を記入して、当期仕入に加算するための仕訳なんです。
 次に行う計算は当期仕入から期末商品分を引くための仕訳であり、「仕入」勘定の貸方に期末商品分の金額を記入すればいいですね。ですから、おなじみのこの仕訳が行われます。

  (借)繰越商品 360,000 (貸)仕  入 360,000

 この仕訳が損益計算書のⅡ売上原価に期末商品を記入して、当期仕入から差し引くための仕訳なんです。

 このように、上記2つの仕訳は、損益計算書のⅡ売上原価の区分を作成するために必要な仕訳であることを意識して練習を続けましょう。