簿記講座の講師ブログ

現代の30~40代はたくさん家を買う?

 皆さん、こんにちは。 
簿記講座担当の小野です。
エアコンで体調が崩れやすくなる時期ですが、うまいこと調整しましょうね。 

 たびたび話題になる就職氷河期世代。
主に、バブル崩壊後~2000年代前半に学校を卒業した現在の30代後半~40代中盤を指します。中には、非正規の職を転々をせざるを得ない状況にある人もいて、この世代へ向けて、政府が新しい制度を準備している状況です。

 そんな就職氷河期世代の負債がかなり増えているというデータが公表されました。
2010年に比べると、30代の負債は50%増、40代の負債は25%増です。この負債は住宅・土地取得のための負債ですから、30代・40代はたくさん家を買っているということです。「賃貸住宅よりも持ち家のほうがお得」と考えて購入する人が増えているそうです。

 多くの人々が終の棲家を所有することができれば、今後の生活の安定(安心感)につながるでしょうから、その点ではメリットもあるでしょう。
一方で、30~40代の消費が減っていて、それは経済全体としては大きなデメリットかもしれません。現代の30~40代は失われた20年の間にかなり所得を減らされました。現代の30~40代は、20年前の30~40代と比べて平均所得が10~20%くらい下がっていて、回復していません(20代はバブル崩壊前の水準を回復、50~60代はそもそもあまり下がっていません。30~40代が1人負けです)。
そうなると持ち家を維持しながら、年金2,000万円問題にも対応するために、日々の消費を減らさなければならない事態に陥ります。事実、30~40代の消費性向(税・保険料を差し引いた後の所得に占める消費額の割合)は下がっています。2010年頃に比べると、毎月、約2%くらい節約しているようです。
 
 上記の事柄を、概ねの平均値でみると、2010年頃の30~40代の、税・保険料控除後の手取りが30~35万円で、そのうち22~25万円くらいを消費に回していたのに対し、現代の30~40代は手取りが26~30万円くらいになっていて、そのうち18~21万円を消費に回しているというイメージです。手取りのレンジが下がっているだけでなく、同じ手取りだとしても消費額が下がってしまっているんです。

 この状態で10月に消費税増税を迎えます。すでに2%くらい節約して、日々をしのいでいるのが30~40代40代ですが、その節約をチャラにしてしまう2%の消費税アップです。う~~ん、またまた厳しくなりそうですね。困ったな。