簿記講座の講師ブログ

出題内容変更情報

皆さん、こんにちは。
簿記講座担当の小野です。

少しずつ暑くなってきました。
暑いだけで疲れますが、体調管理には気をつけて。

2021年4月から「収益認識に関する会計基準」が
施行されるため、 この基準に関係する出題内容が変更され、

2021年11月検定から出題範囲が一部変更されることになりました。

(2021年6月検定までに受験しようと
思ってらっしゃる方には影響しませんので、ご安心を!)

「収益認識に関する会計基準」のポイントは、
(1)「売上」を計上するタイミングをいつにするか?
(2)「売上」の金額をいくらにするか?
という2点です。

(1)については、
「売り手が履行義務を充足した時点に
売上を計上する」とされており、
「履行義務を充足する」時点がポイントになります。

「履行義務」は「お客さんに
モノ・サービスを提供する義務」であり、
どんな条件を満たせば「お客さんにモノ・サービスを
提供したといえるのか?」を考える必要があります。

このように、「売上」を使って仕訳するタイミングが
変わってくることになります。

(2)については抱き合わせ販売などの
ケースで影響が大きそうです。

例えば、PC本体100,000円、保守サービス20,000円
(5年)が売られているとしましょう。

これをセットで、108,000円で売った場合、
どのように処理をすればいいのでしょう? 

新基準のもとでは、PC本体(モノ)と
保守サービスの単品販売の割合に応じて、
108,000円の販売価格を按分し、
別個に処理していくことになります。

しかも、サービスは5年にわたって
少しずつ履行義務が充足されていくことになるので、
引き渡し時には次のような仕訳を行います。

(借)現金など 108,000 
(貸)売上(PC本体) 90,000
前受金(サービス)18,000
売上(PC本体)=108,000×100,000 / (100,000+20,000)

そして、1年間時間が経過したら、保守サービスについて
次の仕訳をして、1年分を売上として計上します。

(借)前受金  3,600
(貸)売上(サービス) 3,600
売上(サービス)=18,000÷5年

サービス販売の会計処理は2級の範囲ですから、
「収益に関する会計基準」が大きく影響するのは、
2級以上になると思いますが、

2級でどのレベルまでの出題されるのか、
まだ発表されていません。

発表され次第、お知らせしていきますね!