皆さん、こんにちは。
簿記講座担当の小野です。
皆さん、夏休みはいかがお過ごしですか?
リフレッシュできていますか?
定食メニューで人気の大戸屋。そんな大戸屋が、
コロワイドに買収されようとしています。
大戸屋の株主総会で買収案が否決されたら、コロワイドが
TOBを仕掛け、目まぐるしく状況が変わっているようです。
今後、大戸屋はどうなってしまうのでしょうか?
コロワイドという会社はもともと「居酒屋甘太郎」から始まった会社で、
その後いろんな会社を吸収合併してどんどん大きくなり、
今は売上高2,500億円くらいの大企業となりました。
買収され子会社となった会社もおなじみの、
そうそうたるメンバーです。
有名どころでは、牛角でおなじみレインズインターナショナル、
かっぱ寿司でおなじみカッパクリエイト、フレッシュネスバーガーでおなじみ
フレッシュネス、ステーキ宮でおなじみアトムなどなど、スゴイメンバーです。
コロワイドは、買収の中でも子会社化という手法を使っています。
例えば、コロワイドはカッパクリエイト株(かっぱ寿司)を50.7%買って、
その株を所有することでカッパクリエイトをグループ化したわけです。
株を全部買わなくても“買収”できるわけですね。
ちなみにカッパクリエイト株は今でも東証1部に上場しているから、
私たちもカッパクリエイト株を自由に買えますよ。
ただ、カッパクリエイトはコロワイドの子会社だから、
コロワイドの言うとおりにしか動けないから、
私たちがカッパ株を買う意味がどのくらいあるかわかりませんが…。
そして、大戸屋株の51.3%を買うことを目標に
TOBを行うと宣言していますから、同じパターンです!
ここでTOBとはTake over bitの略で、株式公開買い付けといいます。
株を買いたい人が多くなると株価は上がります。
黙って株を買い集めようとすると
買い注文をたくさん入れないといけなくなりますよね。
すると、株取引をしている人は「お~、誰か知らんけど、
買いたい人がたくさんいるぞ。俺も買おう!」ってなって、
買いたい人が増えて、株価がどんどん値上がりしてしまうわけです。
すると、買収するために必要なお金がたくさん必要になってしまいます。
その場合、資金が尽きて、買収をあきらめるしかなくなるケースも出てきます。
そこでTOBが使われます。買収直前の株価にプレミアムを上乗せし、
「1株○○円で△△株買い集めます」って宣言しちゃうわけです。
ちょっと上乗せしないと売ってくれる人はあまりいませんが、
天井なしに株価アップするのを防ぐことができます。
コロワイドは2,200円くらいだった大戸屋株を
3,081円で買いますって宣言して、買い集めに入っています。
要は買収価格の上限が決まるわけですね!
それで、今後、大戸屋はどうなってしまうのでしょうか?
コロワイドのこれまでの買収方法だと、大戸屋自体は残り、
子会社として、引き続き大戸屋というお店を経営し続けるのでしょう。
コロワイドは「食の総合プロデュース」を目指して、
いろんな食を提供することを目標にしていますから、
和定食を提供する大戸屋自体は残るでしょう。
これまで、相手の経営がちょっと難しくなって
株価が低迷しているときに、すし(カッパ)を買い、
焼き肉(レインズ)を買い、ハンバーガー(フレッシュネス)を買ってきました。
ここ最近、大戸屋の売上は低下傾向で、
株価もあまり芳しくありませんでした。
経営難になっている会社でも、
コロワイドにとっては自らのバリエーションを広げる魅力的な
会社ですから、大戸屋からは反対・敵対されているけど、
TOBで何とか買収するつもりでしょう!
大戸屋も上場企業である以上、
株を買い占められるリスクは常にあるわけです。
正しいか正しくないか、良いか悪いかの判断を下すのは
とても難しいでしょう(見る立場によって変わります)。
ただ、一方で、このようなダイナミックさが
経済をより豊かにしてくれることも確かですね。