簿記講座の講師ブログ

気になる日本の借金の大きさ

皆さん、こんにちは!
簿記講座担当の小野です。

行楽の秋。遊びに行きまくりたいですね!
でもダメか・・・。勉強しなきゃ。

約1,000兆円を超えるといわれる日本政府の借金。
世界最高水準の借金だといろんなところで報道されていて、
とても気になるところです。

1,000兆円って言われると、金額が大きすぎて
いったいどんな状態なのか想像するのも難しいですね。

ただ、いくつかの視点からあわせてみてみると、
景色が変わってくるかもしれません。

ちょっと自慢させてください。私の自宅は、
リビング50畳、ベッドルーム10部屋、お風呂3つ、
そしてプールがついてるんです。高級外車も3台持ってます。

私って、すごいでしょ? 皆さんどうですか?

ただ、その土地・家・外車はすべて借金で買ったので、借金10億円なんです。
私って、すごい? といわれると、そんなにすごくないような気がしませんか?

まさにこれがポイントで、どんなに立派なものを持っていても、
それが借金だったら、実質的な財産はもってないし、
逆に、どれだけ借金があっても、何か価値があるものを
持っているのなら、借金だけを見ていてもダメってことです。
簿記の学習をしている皆さん方なら、「貸借対照表の話だよね。

プラスの財産とマイナスの財産の両方を見なきゃいけないって、
そんなの当たり前じゃん!」と思われるでしょう。

しかし現実はどうでしょう?
日本政府の借金を話題にしたワイドショーなどで、
日本政府が持つ資産を同時に取り上げているでしょうか?
少なくとも私はこれまでほとんど見たことありません(哀)。

日本政府は莫大な借金を背負っていることは事実ですが、
一方で莫大な資産も持っています。

まずはいろんな会社の株式です。
日本郵政、NTT、日本たばこなどなど、120兆円分くらいもっているんです。

そして、年金積立金として150兆円くらいの金融商品を持っていますし、
政府系金融機関などへの貸し付けが120兆円くらいあります。
もうこれでプラスの財産が約400兆円ですね。
だから、、実質的な借金は600兆円ということになります。
「借金1,000兆円!」という主張とは、ずいぶん違って見えませんか?

いやいや、それでもまだ600兆円の借金があるんでしょう?
と思いますよね。

まだ政府はいろんな資産を持っていますよ。
例えば、霞が関をはじめとして膨大な土地・建物など
200兆円分くらい不動産を持っています。固定資産は取得原価で計上します。
つまり、これは不動産の取得価格であり、時価ではありません。

霞が関など東京のど真ん中の土地を売ったらいくらになるか?って
考えると、かなりの価値かもしれませんね。

他にも特別会計っていう別枠でアメリカ国債を
100兆円分くらい持っているし、結構な資産があります。

こうやって見てくると、実質的な借金は結構少なく見えませんか?
もちろん、これで1,000兆円の借金が帳消しになるわけではありません。

あくまでも、こういう見方もあるって、
1,000兆円の借金だけがあるんじゃなくて、
それなりの財産も持っているってことを知っておくべきだと思うんです。

ただ、注意しなければいけないのは、
持っている資産を簡単に売れないってことです。

霞が関の土地・建物売っちゃったら仕事が
できなくなりますし、アメリカ国債は安全保障との
兼ね合いで戦略的に保有し続けないといけません。

借金の多さだけを悲観する必要はないけど、
だからといって油断してもダメです。

繰り返しになりますが、要は、複数の面から
きちんと見ていこうねってことなんですね。

貸借対照表では資産と負債を見るわけですし、
貸借対照表の純資産の変化が利益として損益計算書で
別の形で表現されるわけですし、簿記では1つのことを
複数の面からみるという訓練をたくさんやっているわけで、
その知識をいろんな場面でぜひ生かせるようになりたいですね!

ちなみに私の自宅は千葉の奥地でウサギ小屋、
国産の1,500ccの車が1台あるだけです…。

残念ながら普通のサラリーマンで、
夢を与えられなくてすみません。
どうか誤解なきよう!