簿記講座の講師ブログ

Go To イートでのポイントゲット!

皆さん、こんにちは!
簿記講座担当の小野です。
今日もがんばっていきましょう!

巷を賑わせているGo To イートでのポイント取得問題。
飲食店の席のみを予約し、お店で最も安い料理だけを注して会計を済ませ、
1,000円分のポイントをもらうような事例が生じているとのことです。

鳥貴〇が例に挙げられていましたが、
利用者は327円の料理のみを注文し、1,000円分のポイントを
ゲットできるので、実質的に673円を手に入れられるというわけです。

こういったことが可能な制度設計が悪いといえばそれまでですが、
もはや日本では性善説での制度設計が不可能になったと悲しむべき出来事でもあります。

「1,000円分のポイントをもらうために、
327円分の注文しかせずに店を出るような人はいないだろう」という
前提での制度設計ができなくなったということです。

この事例については、経済的に見ても、日本のヤバさを露呈したかもしれません。
“たった673円ですら、細かく集めて回りたい”という経済状況にある人が
多く存在し始めたかもしれないからです。

利用者は、店を選んで予約をし、予約時間に予約した店舗に行き、
1品だけ注文をして、注文した料理を食べて、会計し、お店を出る必要があります。

これにかかる時間はどのくらいでしょうか? 少なくとも、
トータルで30分~60分くらいはかかるケースが多いと思います。
とすれば、その人の30分~60分の時間の価値が673円前後ということになります。

これはあまりにも安すぎないでしょうか…。

つまり、そんな行動をしてしまうような状況にある人を
作り出してしまっている経済環境を何とかしなければならないと思います。

悪用するのを制限するのも必要であることは分かりますが、
その根本にある状況を解決しなければ、同じようなことが繰り返されるでしょう。

1980年代後半にバブルが崩壊し、
1990年代は失われた10年などといわれましたが、10年どころか30年が失われています。

50歳以下のほとんどは好景気を体験したことがありません。
う~ん、何とかならないでしょうか…。