簿記のスペシャリストによるこっそり裏講義

 皆さん、こんにちは。

 先日、公認会計士試験の第1次試験の合格発表が行われました。公認会計士試験はマークシート式の第1次試験と、論述式の第2次試験からなります。第1次試験に合格した人だけが第2次試験を受験できるという仕組みです。

 第1次試験は年2回(5月と12月)、第2次試験は年1回(8月)に行われます。先日発表されたのは、5月に行われた第1次試験の合格者です。なんと合格率4.5%! 第1次試験は年に2回行われますから、2回とも合格率が変わらないとすれば年間受験者のうち7%位の人が合格することになるのでしょう(5月に不合格だった人が12月に受験するでしょうから、純粋な受験者はのべ受験者より少なくなるでしょう)。

 この合格者が第2次試験を受験します。もちろん全員合格することはないでしょう。半分が合格したとしても、第1次試験の実質受験者に対する第2次試験合格者は3%前後になると思われます。

 これは恐るべきことです。そもそも、以前の会計士試験は第1次試験(国語・英語・数学)、第2次試験(専門科目の論述試験)、第3次試験(実務経験後の試験)という3段階であり、実質受験者に対する資格取得者の割合は6~7%くらいでした。それではあまりに狭き門であるし(そもそも日商簿記1級合格レベルの人しか受験しない中で6~7%の合格率しかないというのは、かなりの狭き門ですよね?)、多様な人材を求める必要があるということで、試験制度を簡素化し、実質受験者に対する資格取得者の割合を20~30%まで高めようということになりました。その前提として、企業が会計士を社内に配置すれば、国際的な競争を財務の面から支えることができるであろうから、そのために多くの会計士が必要であるということでした。しかし、フタを開けてみると、企業は会計士を社内に抱えることはなく、その結果、会計士試験合格者がどこにも就職できないという状況が生まれてしまいました。弁護士試験(法科大学院)と同じ構図です。

 すると、次の対応策としてとられるのは合格者を少なくするということになるわけです。法科大学院と同じく、会計士になるために仕事をやめて勉強を始めた人も多いと聞きます。試験制度に振り回されてしまってちょっと気の毒です



小野正芳

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