簿記のスペシャリストによるこっそり裏講義

 皆さん、こんにちは。

 民主党政権による税制に関する議論が盛り上がっています。例えば、消費税増税の話が出ていますね。消費税は低所得者に厳しい税なので、消費税率を上げるときには低所得者に配慮した上げ方をしなければならず、そのために所得に応じ還付する制度が案として考えられています。

 そこで日本国民の所得を正確に把握する必要が出てきます。所得が低い人だけに払いすぎた消費税を還付することで増税にならないようにし、所得が低くない人にとってのみ増税する必要があるからです。

 所得を正確に把握する手段として国民共通番号制度という話が出てきます。国民にある番号を割り振り、この番号をもとにして行政サービスを行っていくという制度です。例えば、免許証番号、基礎年金番号、住基ネットの番号など、ばらばらに割り振られた番号を1つだけに集約する制度です。つまり、ある人の免許書番号、基礎年金番号など、行政サービスを受けるときの番号が1つになるので、引っ越ししたときに市役所に引っ越ししたことを届け出れば、ほかの役所(警察など)に届け出なくても、免許証の住所を自動的に書き換えてくれたりするわけです。

 今の話の流れもそうですが、テレビなどでは「所得を正確に把握する手段として国民共通番号制度を割り振る」と報道され、そのメリットとして「行政サービスが効率化する」というようなことが報道されます。

 しかし、ちょっと考えてみてください。なぜ、共通番号を割り振れば、正確な所得を把握できるようになるのでしょうか? 今だって、個人名・住所・電話番号を添えて、税務署に所得申告をしているはずです。共通番号を導入したって、現在の税務申告の際に使っている個人名や住所が共通番号に変わるだけではないのか、と思うのです。

 不思議に思ったのでたくさん検索してみましたが、なかなか「共通番号制度によって所得を正確に把握できる理由」を説明している新聞・サイトはありませんでした。国の審議会などで「正確に所得を把握するために共通番号制度を導入する」と議論しているのですから、明らかな理由があるのでしょう。どなたかご存じの方がいらしたら教えてください。



小野正芳

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