簿記講座の講師ブログ

日本政府が、日本企業いじめ?

 皆さん、こんにちは。 

 簿記講座担当の小野です。

 暑いし、ムシムシしてきたし、快適な環境を作るのが大変ですね!

 先日、2つの機器を、自動車に装着することが義務付けられました。

 バックカメラと実燃費記録装置です。

 バックカメラは、自動車がバックするときに、ナビの画面などに広報を映し出すカメラを指します。後方の歩行者などに気づかないままバックしてしまい、歩行者に怪我をさせてしまうなどの事故が多発していることに対応するために義務付けが決まりました。

 バックカメラの装着が義務付けられますが、その映像を映し出すことが不可欠ですから、必然的にモニターの装着も義務付けられることになります。ナビがついているのであれば、そのナビのモニターを使えばいいですが、ナビがついていない自動車には後方を映しだすためだけのモニターを装着する必要があります。あぁ、これで車の価格がまた上がる!

 ただでさえ、日本国内での自動車販売台数は減っています。その理由の1つは、自動車の価格が上がっている一方で国民の所得が上がっていないことです。グローバル商品である自動車は世界的な観点から価格がつけられます。世界経済は、基本的に、マイルドなインフレ傾向(アメリカの平均給料は、ここ20年で約1.6倍になっています!)ですから自動車の価格も上昇傾向です。でも日本は物価下落経済であり、平均給料は大きく下がっています。

そんな中でバックカメラ・モニターの装着が義務付けられると、日本人はますます自動車を買えなくなってしまいます。自動車メーカーは世界中で売っていますから倒産するようなことはないでしょうが、自動車が売れない日本向けにデザインするのではなく、自動車がよく売れる地域に向けたデザインをして、それを日本で売るでしょう。日本人の好みから離れていくことで、さらに自動車が売れなくなるかもしれません。

 そうなると日本国内の雇用の10%を占めるといわれている自動車産業が日本人を雇えなくなるかもしれません。だって、アメリカで売る自動車はアメリカで作り、そこでデザインした自動車を日本に持ってくるのなら、日本国内の工場などがかなりいらなくなってしまい、国内で生産に携わっている多くの人々を雇えなくなるかもしれません。

こうやって見てくると、こんな規制を作る政府は、企業をいじめているとしか思えなくなってしまいます。企業をいじめると、そのしわ寄せは間違いなく、もっと弱い立場にある従業員にいくに決まっているのに…。

 ただ、バックカメラの装着は欧米でも義務付けられるようですから(国連機関で装着義務が規定されたようです)、100歩譲って、私たち日本人も何とか対応しなければならない事柄なのかもしれません。

一方、もう1つ義務付けられた実燃費記録装置については何と言ってよいか…。いじめ以外の何物でもないように感じてしまいます。

 自動車の燃費は、国土交通省が決めた測定方法に従って測定され、その数値がカタログに記載されます。当然、自動車メーカーはできるだけいい数値が出るように条件をそろえて測定しますから、私たちが自動車を運転しても、カタログ上の燃費が実現することはほぼないでしょう。自動車を買うときは、「実際の燃費はせいぜい7、8掛けくらいだろう」と思いながら買うことが一般的ではないかと思います。

 国土交通省に言わせると、「これが消費者に大きな不利益を与えているから、実燃費を測定する機器を自動車につけて、消費者に実燃費を教えなければならない」のだそうです。いや、おそらく誰も、カタログ数値なんて理論値であって、実際にそんな燃費が出るなんて思っていませんし、実燃費なんて、給油時に、走行距離を給油量で割れば分かりますから、わざわざ装置をつけて測ってくれなくてもいいのですが…。

 もちろん、実燃費測定装置がつけばその分だけ自動車の価格が上がるでしょう。実燃費測定装置については、もう、企業いじめ以外の何物でもない気がするのは私だけでしょうか…。ただでさえコロナ禍で傷んでいる経済の中で、日本最大規模の産業である自動車関連企業をいじめているように見えてしまいます。

 そんな発想が役所内部から出てきたのであれば日本政府はどれだけMなのか、外部からの圧力であればだれが儲かるのか、教えてほしいです。日本経済が貧しくなることに対応はできませんが、その元凶くらい知りたいと思うのは私だけでしょうか…。