簿記講座の講師ブログ

エルサルバドルの法定通貨

 皆さん、こんにちは!

 簿記講座担当の小野です。

暑くなってきました! 寝冷えなどすることなく、ご注意を!

 中米の国エルサルバドルが、国の法定通貨をビットコインにすることを検討しているとのニュースが流れました。エルサルバドルの超、驚きですよね!

 ビットコインは値動きの激しさで知られています。

2019年中は1ビットコイン(bc)=50万円~100万円の間で乱高下していました。

2020年に入ると1bc=100万円前後の価格で安定しました。3月ごろのコロナ問題で世界の株式市場が暴落した時期にビットコイン相場も暴落しましたが、一時的な下落で、すぐに1bc=100万円前後の価格帯に戻りました。

それが2021年に入ると暴騰を始めます。2021年3月ごろには一気に1bc=650万円くらいまで上がりました。著名人や有名企業がビットコインを大量に購入したことが理由だといわれています。例えば、様々なクラウドサービスを提供しているマイクロストラテジーが1,000億円分くらいのビットコインを調達しています。また、テスラもビットコイン決済を受け入れたり、社長自らが購入したりしました。こうやって、一気に暴騰しました。

しかし、5月に入ると1bc=400万円くらいまで急落します。主な理由はテスラの社長が、「ビットコインは電力を食いすぎで環境にやさしくない」発言をしたことでした。

ビットコインはマイニングという作業を経てコンピュータ上で生み出されるお金(といえるかどうかも定かではありませんが)です。しかし、裏付けとなる何らかの価値はないといわれています。日本円であれば、日本国民・企業から税を徴収できる日本国政府がその価値を保証しています。よって、日本国自体が日本円の価値といえます。一方で、ビットコインの価値を保証する主体はありません。そのため、個人の行動などでその価格が激しく動くことになります。

こんなお金(?)を国の法定通貨にするというのですから、すごい話です。コンピュータでマイニングしないと自由に発行できません(発行上限も決まっている)から、不景気になったときに通貨量を増やして景気をよくするという、一般的な金融政策も自由にできません。不景気になったときにビットコインが暴騰していたら…。不景気なのに、インフレが生じてしまうので、何とも恐ろしいことに。本当にやっちゃうんでしょうかね?