簿記講座の講師ブログ

コンピュータ化と非コンピュータ化 -その1-

 皆さん、こんにちは。

 私が担当している簿記講座で資格を取得することを目標とされている方の多くは、仕事で使うことを目的にされている方が多いと思います。

 講座および検定試験では、自分で電卓をたたき、その計算結果を各種帳簿に記入していくというやり方ですが、実際の実務では仕訳をコンピュータに入力すれば、あとは試算表までコンピュータが自動的に作ってくれます。実は、簿記検定試験を勉強して役に立つのは、「自分で帳簿を作れるようになる」ことではなく、「できあがった帳簿の意味がわかる」ことなのです。

 私自身も手書きの帳簿などは作っておらず、基本的に仕訳をコンピュータに入力して、決算の設定(減価償却資産を何年で償却するかなどの決算に関する事柄の設定)をしておくと、財務諸表までコンピュータが作ってくれます。

 さらに、税務申告用の書類を作るソフトまで市販されていますから、自分で財務諸表を作り、税務署に申告するための書類を作り、税務署に申告するところまでほぼ1人でできる時代です。さらにさらに、電子申告を行えば税務署に行く必要すらありません。クリックだけ税務申告も終えることができるのです。もちろん、税の規定は非常に複雑でかつ毎年変更されますから、税理士などの専門家にすべて任せるのも一つの方法ではありますが・・・。

 このようにちょっとした簿記の知識とコンピュータさえあればほぼ全自動的に経理業務はできてしまい、経理の世界は非常に効率的な世界になっているのですが、まだまだアナログな世界もあります。それはレセプトの世界です。

 レセプトってご存じですか? 

 我々は病院に行くと、本来かかっている医療費の3割だけを支払えばすみます。残り7割は加入している健康保険組合が支払います。サラリーマン(とその家族)であれば職場の健康保険組合が、自営業(とその家族)であれば地方自治体が運営する健康保険組合が支払うわけです。

 医療機関は診療内容を明らかにした請求書を作成します。どんな治療をして○○円、どんな薬を処方して○○円、基本料金(初診・再診料)として○○円、などと請求書を作成するわけです。その請求代金のうち3割を窓口で本人に請求します。最近は我々個人にも診療内容とその点数(金額)が書かれた明細書をもらえますね。

 医療機関は残りの7割を健康保険組合に請求します。そのときに医療機関と健康保険組合でやりとりされる書類がレセプトです。ちょっと前置きが長くなりすぎたので、続きは次回。