簿記のスペシャリストによるこっそり裏講義

 皆さん、こんにちは。

 今回はレセプトの続きです。

 医療機関は医療費の7割を健康保険組合にレセプトという書類を使って請求します。といっても直接健康保険組合に送付するのではなく、「レセプトに間違いがないか」、「診療内容におかしな点はないか(不正請求はないか)」といったことをチェックする監査機関(国民健康保険団体連合会、社会保険診療報酬支払基金)に送付します。その監査機関でチェックを受けて、認められれば初めて健康保険組合から医療機関に医療費が支払われるわけです。

 それで、本題は何かというと、医療機関、監査機関、健康保険組合の間でやりとりされるレセプトという書類が紙であるということです。

 実は、私の親戚に医療関係者がいて、レセプト電子化を目指す方向で法改正がなされた際にその親戚もコンピュータでレセプトを作るべく、コンピュータと専用ソフトを導入しました。その親戚は、これで紙に書く必要も、紙を毎月監査機関に送付する必要もなくなるから、楽だし安くつくしいいね、といっていました。

 ところが、未だにその親戚は毎月1ヶ月分のレセプトを印刷し、封筒に入れて監査機関に送付しているのです。自分はネットワーク上でファイルを送付したいのだけれども、相手が受け取ってくれないそうです。
さらに、レセプト電子化によって監査機関が得る審査料は大幅に下がると予測されていたので、経済的にも期待していました。一般にコンピュータ化によって様々な手間が省ける=効率的になるので、手数料は引き下げられることが一般的です。証券業界は取引取り次ぎのコンピュータ化で手数料が劇的に(以前の1/100くらい)に下がりましたね。IT革命って、別名は効率化革命ですからね。

 ところが、レセプトの世界では手数料もあまり下がりませんでした。レセプト審査の手数料は90円から80円にさがっただけでした。あまり下がらなかったのは、電子化を努力義務に格下げしたせいだそうです。強制適用にはしなかったらしいのです。つまり、すべての医療機関が電子化すれば、受け取る監査機関も電子化されたものだけを受け取るので非常に効率的になりますが、電子化されたレセプトを送る医療機関と、紙を送る医療機関があれば、監査機関側では下手をすると手間が増える可能性さえあるわけです。

 手間的にも経済的にも全く意味のないコンピュータ導入だったと嘆いています。何でそんなことになってしまったのでしょうね?



小野正芳

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