簿記のスペシャリストによるこっそり裏講義

 皆さん、こんにちは。

 羽田空港の駐車場をご存じですか? 国内線用にP1~P4の4つの駐車場と、国債専用に1つの駐車場があります。国内線用のP1とP4は日本空港ビルデング株式会社、P2とP3は財団法人空港環境整備協会が運営しています。ここも例に漏れず、いろんな人にいろんな利権を提供する場となっているわけです。今回の本題は、私にして珍しく、それに対して文句を言うことではありません。

 この駐車場の料金ですが、以前は結構高かったイメージがあります。だから、空港の周りには安い民間の送迎付き駐車場があるわけです。私は実家に帰省するとき車で羽田まで行って、駐車場に止めます。小さい子供がいると、帰省荷物を持ち、電車に乗って、何回か乗り換えて、やっと空港に着き、飛行機に乗るというのはかなりの苦行です。自宅からバスで最寄り駅まで行き、電車で羽田まで行くと、大人一人片道で2,000円近くかかります。大人二人と子供二人で5,000円くらいかかるわけです。10,000円くらいは必要です。また、自宅のドアから空港まで2時間くらいはみておかないといけません。子供はまっすぐ歩いてくれませんから、かなりの余裕時間をみておかないといけないわけです。この無駄な時間を機会費用ととらえるとかなりのコストがかかるわけですね。ですから、多少駐車料金が高くても(7泊8日で17,000円くらいだったと思います)、車で行った方が安いコストになると判断していたわけです。

 昨年の夏前に大幅値下げが行われました。詳しくは空港の料金表を見ていただければわかりますが、7泊8日でも9,500円になったんです。ほぼ半額ですね。3日目以降は、以前は1日2,000円だったと思いますが、現在は1,000円です。すると、以前はみられなかった現象が起こりました。空港の駐車場が満車になるのです。私は仕事柄ラッシュを避けて帰省することができます。通常、夏は8/20ごろから、正月は1/4ごろから帰省します。ほとんどの方は休みを終えて関東に戻ってくる頃に、関東を出発するわけです(もちろん、その代わり、盆中や年末年始は結構仕事をしていますが・・・)。昨年は8/20でも空港の駐車場が満車でした。後でみたところ、8月は25日間くらい満車になったそうです。つまり、駐車場が高かったので皆さん公共交通機関で空港に行っていたわけです。

 これはよかったのでしょうか? たぶん、利権の場だったはずですから、利益を国民に還元する目的で駐車料金を安くしたのでしょう。しかし、皆が車を使うようになったため、環境問題を引き起こしてしまいました。多くの人が電車で来た方がCO2は少なくてすみますよね。ということは、還元する対象を間違ってしまったといえます。

 駐車場1つあたり約2,350台駐車することができますから、4つで9,400台駐車できます。1台あたり1日1,000円安くなったのですから、1日で9,400,000円の値引きです。年間5割(180日)が満車になるとすると、1,692,000,000円です。

 一方で、平均年金受給額は1世帯2,760,000円です。ということは、613世帯分の年金給付をまかなうことができます。その分、税投入額も減れば、国民全体を少しだけ楽にすることができます。

 利用者還元も重要でしょうが、国全体で考えれば、削った部分を直接必要な部分に当てはめる方が効率的です。つまり、空港整備協会の利益をいったん駐車場利用者に還元し、その駐車場利用者から消費税増税という形で新たな税を徴収するよりも、空港整備協会から年金基金へ納付させたほうが効率的です(資金移動のコストも減らせます)。でも、効率的になれば、それだけ関わる人が少なくてすむので国はそんなことしないでしょうけどね。



小野正芳

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