簿記講座の講師ブログ

日本はほんとうに不景気? その第?弾

 皆さん、こんにちは。

 このブログでは、ほんとうに日本が不景気なのか不思議に思わざるを得ない状況をいくつか紹介しました。つい最近の例で言えば、お宮参りの時の神社および食事処の盛況を書きました。また、最近、消費税アップのニュースで「ほんとうに日本は不景気なのか?」と思ってしまうことがあったので書きたいと思います。

 皆さんご存じのように消費税が8%、10%にアップされようとしています。なぜ税金の中でも消費税なのかについて、様々な理由が述べられていますが、理由の1つとして安定した税収であることが挙げられています。財務省の公表によると、消費税の税収は次のように推移しています((  )内は名目個人消費)。

 平成10年 10.1兆円(282兆円)  平成13年  9.8兆円(283兆円)
 平成16年 10.0兆円(282兆円)  平成19年 10.3兆円(288兆円)
 平成22年 10.0兆円(278兆円)

 う~ん。確かに安定した税収ですね。同期間の所得税が12.9兆円~18.8兆円、法人税が6.4兆円~14.9兆円であることを考えると安定感が際だちます。

 私はこの推移を見て、「ほんとうに日本は不景気なのか?」と思ってしまいました。そもそも消費税って、最終消費者が負担する税金ですよね。ということは基本的に個人消費に対する課税ということになります。つまり、消費税が安定しているということは個人消費も安定しているということになります。その証拠に(  )内の数字も非常に安定していることがわかります。もちろん、いろいろな調整が入るでしょうから、個人消費と消費税が完全にリンクすることはないとは思いますが、基本的には同じ動きを示すでしょう。

 ここで私は思うのです。「日本はほんとうに不景気なのか?」 だって、個人消費は280兆円前後で安定していますよね。さらにいうと、これは名目額なので物価下落の影響を加味すると、実質的に個人消費は増えているともいえます。物価下落の影響を加味すると、10年の実質個人消費は265兆円であるのに対して、22年の実質個人消費は293兆円です。

 一般的な理解(報道)では、「日本は今、失われた20年の中で、大変な不況に見舞われており、多くの人は生活防衛のためにお金を使わず貯め込んでいる」というところでしょう。しかし、以上の統計を見れば、多くの人は生活防衛のためにお金を使わないことはないようです。むしろ、物価が下落した分だけ多くの財・サービスを購入できており、より豊かな生活を送っているのかもしれません。

 「日本は不景気」というのは誰かの陰謀で、景気がよくなると困る偉い人が多いという思いがますます強くなってきた今日この頃です。