簿記のスペシャリストによるこっそり裏講義

 皆さん、こんにちは。

 宝くじの期待収益は間違いなくマイナスになります。わかりきったことですが、ちょっと計算してみましょうか。

 平成22年のジャンボ(年末ジャンボなど)の売上金額は4,806億円だそうです(日本宝くじ協会のHPより)。1枚300円ですから、約16億枚の販売です。1等2億円の本数は110本(年間5回のジャンボくじが発行されているので1回あたり22本×5回)です。

 つまり、1等2億円が当たる確率は0.000006875%です。う~ん、ゼロが何個ついているんだ? 一方、販売金額の約45%が地方自治体等の取り分ですから、45%の確率で外れる(300円の損失となる)ということになります。

 こうやって、2等以下に当たる確率などを求めていって、それをすべて合計したとしても“期待収益”はマイナスになるわけです。当然といえば当然ですよね。多くの人が300円ずつ払ってくじを買っても、その販売金額のうち半分は自治体が持って行って、ほんの少しの高額当選者が販売金額のうちの残りのほとんどを持って行くのですから。

 でも、年末に宝くじ売り場でインタビューを受けるほとんどの人は「300円で夢を買えるなら安い」なんてことをいいます。昨年末にその様子を報道したニュースの中ではみずほ銀行の担当者も登場して、「みなさん夢を買ってください!」といっていました。

 でも、以上のように「宝くじは期待収益がマイナス(収益を得ることができない)」なんです。たぶん、ここでいう「夢」というのは“たくさんのお金が入ってくること”を指すのでしょうが、そんな「夢」を見ることができるのは、宝くじが売れれば売れるほど手数料収入が膨らむみずほ銀行であって、宝くじ購入者ではありません。

 年末のテレビ報道では多くの人が夢を買う現場がテレビ画面を通じて流されました。その特徴はほとんどの購入者が年配者だということです。若い人はほとんど宝くじを買わないそうです。

そりゃそうですよね。宝くじを買っても「夢」を見ることはほとんどできないと分かっているのですし、多くの若者が雇用不安や社会不安におびえている中、わざわざ自治体の財政を楽にさせてあげようなんて思う人がどれだけいるんでしょうね。日本の若者はお金に関しては世の中の仕組みがよく分かっているのかもしれません。

 日頃から宝くじを買うなんてばかばかしいと思っていましたが、多くの若者もそのように思っているという報道を見て、なんか勇気づけられた感じになったという話でした。



小野正芳

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