簿記講座の講師ブログ

団信のリスクヘッジ機能

 皆さん、こんにちは。

 突然ですが、皆さんはリスク管理やっていますか?

 “はぁ、何だよ突然!”というのが正直なところでしょうか。私も突然聞かれたらそう答えることでしょう。

 若い独身の頃は何が起こってもどうにでもなりますから、リスク管理なんてせいぜい所有する金融商品に関するものだけが対象となりますが、少しずつ年をとっていろんなものを抱え込むようになると、いろいろなリスクが目に付くようになってきて、本当にヘッジしなければ気が狂いそうになってしまうものです。若い頃に、上司などのおじさんが「いろいろ大変なんだよ」といっていたのがやって身にしみてわかるようになったという感じでしょうか。

 リスクは人によって異なるのでしょうが、私(というより私の家族)にとっては私がいなくなることが最大のリスクです(妻にとってみれば私がいない方がよかったりして・・・(悲))。「私がいなくなる」には2つの意味があります。

 ① 死んでしまうこと。私は収入を獲得できないけれども、支出することもありません。
 ② 病気(無職)になること。私は収入を獲得できないけれども、支出はし続けます。

 このようなリスクは特にマイホームをローンで取得した人にとって非常に大きなリスクとなります。マイホーム取得層は30代が中心で、子供が小さく、それ故母親が物理的に働けない状態にある、というのが典型的な状態でしょう。こんな時に一家の大黒柱に何かがあったら大変なことになります。

 ですから、ローンを組むためには保険に入らなければならず、「団信」という保険商品が用意されています。「団信」とは、ローンを組んだ人保険会社に保険料を払い、ローンを組んだ人が死亡したら、保険会社から銀行などにローン残高支払われ、ローンがチャラになるという保険です。

 でも「団信」は上記の①しか保証してくれません。②の中でも高度障害が残れば保証対象ですが、その条件はかなり厳しいようです。しかも、3,000万円の住宅ローンをチャラにするための保険料は年間107,300円(以降、ローン残高の減少とともに段階的に減っていく)です。一方、同様の保証を得られる民間の生命保険(某ネット生命保険)の保険料は46,080円です。住宅ローンを提供している多くの金融機関では「団信」加入をローン提供の条件としていますが、この保険料の差額でも稼いでいるのでしょうね。
住宅ローンを組むと、②のリスクを自分でヘッジしなければならないリスクとして残るうえ、余計な(割高な)生命保険にも入らなければなりません。調べれば調べるほど、マイホーム取得の夢が遠のいていきます。