簿記のスペシャリストによるこっそり裏講義

 皆さん、こんにちは。

 皆さん、6月試験はいかがでしたか? 2級・3級ともに比較的容易な(ワンパターンな)問題だったと思います。

 3級については非常にオーソドックスな問題でしたね。試算表と精算表の作成がほぼ過去問と同様の形式で出題され、そこで出された取引もよく出てくる取引ばかりでした。過去1年(平成23年6月、11月、平成24年2月)の合格率が、36.6%、49.8%、49.1%と推移してきたので、今回は少し難しくなるのかなと思っていましたが、予想に反してしまいました。今回も結構な合格率となるのではないでしょうか。

 2級についても商業簿記では特殊仕訳帳(第2問)と財務諸表の作成(第3問)、工業簿記では工程別原価計算(第5問)と比較的点数がとりやすい問題が並んでいたと思います。第4問の本社工場会計については難しく感じた方もいらっしゃるかもしれませんが、本社工場会計の部分はほんの少しだけで、ほとんどは「工業簿記一巡の仕訳をしなさい」という問題です。とすれば、2級も比較的容易な問題が並んでいたということになります。2級も過去1年にわたって、合格率が34.8%、44.5%、31.5%と推移していたので、3級同様、今回は少し難しくなるのかなと思っていましたが、予想に反してしまいました。

 ここ最近の合格率をみていて、合格率の水準が上がったなと感じます。5~6年まで、簿記2級の合格率といえば20~30%、簿記3級の合格率といえば30~40%くらいでした。しかし、ここ数年はそれぞれ10ポイントくらいずつあがっているようですね。今後もこの傾向が続けば受験生にとってはうれしい限りですね。

 一方、合格率が高いということは取りやすい資格ということであり、その価値が低くなるかもしれません。簿記はすべての企業で必要な知識ですから、簿記の需要はなくなりませんが、取りやすい資格となれば受験者が増加し、簿記の資格を持つ人が増えるかもしれません。そうなると、簿記の資格を使って自分の実力をアピールする差異の競争相手が増えてしまいます。ということは、就職活動で簿記の資格を生かそうと思っている受験生にとって、合格率のアップはあまりうれしくない事柄となってしまいます。

 そもそも、この合格水準が続くとは限りませんが、続いた場合にはどうなるでしょうね。



小野正芳

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