簿記のスペシャリストによるこっそり裏講義

 皆さん、こんにちは。

 現在、経済産業省の電気料金審査委員会では、「オール電化割引」を廃止するよう東京電力に求めているそうです。その理由は「特定の機器を購入した家庭だけを優遇する料金制度は不公平だから」だそうです。

 まさかとは思いますが、本気で言っているわけではないでしょう。何か表に出せない本当の狙いがあるのでしょうね。だって、もし本気で言っているのであれば、経済産業省は最終的に自己否矛盾に陥ってしまうじゃないですか。

 そもそも「特定の機器を購入した家庭だけを優遇 する料金制度が不公平」なのであれば、世の中の多くの経済活動は不公平になってしまいます。

 簿記のテキストには「割戻」というのが出てきます。「割戻」とはたくさんの購入をしてくれたお客さんに対しておまけすることです。スーパーでタマネギが1個58円でした。でも3個買うと158円です。これを「割戻」といいます。ですから、ほとんどの方は「割戻」を受けたことがあるはずであり、特定の商品を購入したら優遇されてきたわけです。

 このように世の中の経済活動の多くの部分で「特定の人だけが優遇される」のは当たり前のことです。だって、お得意様におまけしてあげるなんて当たり前のことじゃないですか? 税金で運営される役所は特定の人におまけをしてはいけませんが、自らの努力のみで稼いでいる民間企業は、自らの売上を伸ばすために特定の人におまけしなければならないとすらいえます。東京電力にとってみればオール電化の家庭はガス併用の家庭よりもたくさんの電気を購入してくれるお得意様ですから、優遇するのは当たり前です。なぜ、オール電化の家庭を優遇するのはいけないのでしょうね? 

 皆さんはエコカー補助金のことはご存じですよね? 燃費のよい車を購入すると補助金がもらえますし、各種税金も割り引きされます。まさに「特定の機器を購入した家庭だけを優遇する料金制度」ですね。

 対象が車の場合には補助金は不公平という議論が行われることなく、対象が電気の場合には割引は不公平という議論になるのでしょう? どちらも多くの国民に影響を与えるものであり、一部の人たちだけに関係することではありませんよね。

 というように、もうメチャクチャです。世の中の経済活動で当たり前のことを否定し、かつ自分たちがやっていることも否定しています。特定の人におまけすべき民間企業がそれを禁止され、特定の人を差別的に扱ってはならない役所が特定の人におまけしています。私の家は今のところオール電化ではないので「オール電化割引」があろうがなかろうがどっちだっていいのですが、実行される政策の決定根拠があまりにひどいので心配です。

 政策を決定する人たちは優秀な人たちです。だから、国民生活に大きな影響を与える別の重要な根拠があると信じたいところです。きっと別の理由があるんだと・・・。



小野正芳

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