簿記のスペシャリストによるこっそり裏講義

 皆さん、こんにちは。

 消費増税で軽減策の必要性が主張されている住宅ローン減税ですが、この減税分だけハウスメーカーの取り分となっているという主張があります。

 不動産流通近代化センターが公表している不動産業統計集によると、ここ10年の一都三県における土地付き建売住宅の平均販売価格はほぼ横ばいです(もちろん、年ごとの上下はありますが、10年という期間で見るとほぼ横ばいと言ってもいいでしょう)。しかし、皆さんご存じのように、土地の価格は、平成4年頃から18年連続で下落し続けています。ひどい時期は6%前後の下落が続いた時期もありました。それにもかかわらず土地付き建売住宅の平均販売価格はほぼ横ばいです。ということは、建物価格が値上がりしているということですね。マンションに至ってはここ10年で15%前後の値上がりです。土地が値下がりしている一方で建物本体価格は大きく値上がりしていると言えるでしょう。

 一方で、ハウスメーカーのチラシの常套文句は「住宅ローン減税で税金が還付されます!」です。しかし、すでに世の中デフレが続いている中で建物本体価格は値上がりしているわけですから、住宅ローン減税で税金が還付される分だけ販売価格が上乗せされているということができるわけです。そのように考えると、住宅ローン減税という名目で国から個人に支出される公的資金が、ハウスメーカーに横流しされている構造ができあがっているといえるわけですね。

 現在を生きている現役世代が拠出した税と、将来世代が払う税によって担保された借金によって集められた税は、現役の住宅購入者ではなく、ハウスメーカーの懐に入っていたというわけです。

 しかし、2006年頃までは年間120万戸くらいあった新規住宅着工件数が、直近では84万戸程度まで減少してしまっています。さらに2014年以降の消費税アップによって60万戸を切るのではないかともいわれています。ハウスメーカーにとっても、売上アップは死活問題でしょう。

 上で述べた見方はあくまでも1つの見方であり、絶対に正しい見方というわけではありません。どこも大変なんですよね。



小野正芳

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