簿記のスペシャリストによるこっそり裏講義

 皆さん、こんにちは。

 皆さんは以下の質問に対してどのように答えますか?

 問い)定年退職時に退職金を3,000万円受け取りました。この3,000万円をどのように使いますか。なお、このときにまだ住宅ローンが1,000万円残っています。

 いろんなところで聞いてみたところ、「まずは借金を返済して、残った2,000万円のうち500万円くらいを使って、旅行に行ったり、住宅をリフォームしたり、耐久財を購入したりして、1,500万円くらいを貯蓄する」というのが平均的な解答だと感じました。特徴的なのは、消費する金額は人それぞれ違っても、ほとんどの人が借金を返済すると答えた点です。

 この背景にあるのは“借金はあまりよくないこと”という潜在的な考え方ではないでしょうか? 例えば、マネー関連の雑誌では、住宅購入の際の資金について、「できるだけ多く頭金を用意して、借り入れはできるだけ少なくするのがセオリー」とされています。でも本当にそうでしょうか? 本当に“借金は悪いこと”なのでしょうか?

 最も重要なことは“できるだけ借りないこと”ではなく、“借りているときに支払う金利”と“借りているときに得る収入”を比較することでしょう。収入が支払金利を超えるのであれば、できるだけ多く借りるべきだと思います。

 上記の問いでは手元に3,000万円の資金があり、1,000万円のローンが残っています。例えば、手元資金を5%で運用でき、ローン金利が2%であるとしましょう。とすれば、退職金でローンを返済するのは愚かな行為です。みすみす3%分の利益を得る機会を逃しているのですから。

 ここ数年、日本の株価は超低迷状態です。でも、世界全体を見渡してみると、日本が超以上なんですね。欧米先進国の株価はリーマンショック前の好景気の時期の株価に戻っていますし、新興国も順調です。株式投資をしていれば過去においておおむね5%くらいの収益を得られた計算です。今後も得ることができるとは限りませんが、日本が異常であることくらいはわかります。

 私が何を言いたいのか。私ならば、「この問題文で示された条件では、金利などの条件が示されていないので、受け取った3,000万円の使い道を決められない」と答えます。つまり、紹介されている事柄だけが絶対的に正しいとは限らないから、自分の頭で考えようということをいいたいわけです。

 ちまたでは「○○は××しなさい」というタイトルの本があふれています。一方、最近の日本人は思考停止に陥っていて危険であるという主張も多くなされています。今年もたくさん考えましょう!



小野正芳

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