簿記のスペシャリストによるこっそり裏講義

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2013/04

運賃のなぞ

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 皆さん、こんにちは。

 最近のちょっとした好景気による消費状況を見て、ちょっと不思議に感じることがありました。最近は、アベノミクスの効果によって、消費が盛り上がっているそうですね。そうなってくると気になるのが値上げですね。一般に需要が高まると価格は上昇します。また、日銀が2%の物価上昇を目標としていますし、いろいろなものの値段が徐々に上がってくるかもしれません。

 こんな話を聞いてどう思いますか? 「そんなの当たり前の話だろ」と思う方が多いのではないでしょうか? しかし、こんな当たり前の話が適用されない業界があるんですね。“認可”が必要な業界です。

 例えば、タクシー料金を考えてみましょう。タクシーは通常料金が決められており、夜のみ2割増しですね。お客さんが多くても少なくとも料金を変更することはできません。以前、タクシーの増車を認めた規制緩和によって競争が激化し、運転手さんの収入が低くなったとして問題になりましたが、経済学的にいえば当たり前です。数量の変化は価格の変化とセットでなければおかしなことになるのです。

 需要が増えたときに価格を上げ、需要が減ったときに価格を下げることによって、得られる収入を最大化できるのです。しかし、タクシーの規制緩和は数量だけを自由にし、数量の変化に大きな影響を与える価格を機動的に動かせなかったので、結局は需要が増えず、1台あたりの収入が減るという当然の結果になっただけの話です。電車・バスも同様に運賃が規制されていますので、機動的な価格設定ができません。雨が降ったときのタクシー乗り場の混雑といったら半端じゃないんですけどね。

 一方、同じ公共交通機関でも飛行機の運賃は自由設定です。お客さんが少ない時期の運賃は安いですよね。一方、正月3日間はめちゃめちゃ高いですね。私はとてもじゃありませんが1/1~1/3に飛行機に乗ることはできません(高すぎて)。でも旅行に行く気持ちを抑えることはできないので、1/5~1/7くらいに休みを取って飛行機に乗って旅行に行くわけです。1/5でも驚くほど羽田空港は込んでいますから、私みたいな人は多いのでしょうね。つまり、お客さんが多いときに高い運賃を設定することによって、需要を分散できる(運賃が高すぎて、それを支払えない人は安い時期に消費する)わけです。そうすると、航空会社はより多くの人を飛行機に乗せることができ(需要が増加し)、収入全体が増えるわけですね。

 同じ公共交通機関でもこの差は何なんでしょう。また、なぜわざわざ、政府が一企業の収入を左右する権利を持っているのでしょう。タクシーまで規制する理由がわかりません。



小野正芳

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