簿記のスペシャリストによるこっそり裏講義

 皆さん、こんにちは。

 時間の経過とともに世の中はどんどん便利になっていきます。

 私が小さいときテレビのチャンネルを変えるためにはテレビ本体についているチャンネルつまみを回さなければなりませんでしたし、ボリュームを変えるためにもテレビ本体についているボリュームつまみを回さなければなりませんでした。しかし、今はリモコンで座っている(寝転んでいる?)場所から、ピッと変えることができます。

 人の生活を便利にしているのはIT機器および技術です。私が学生の頃、音楽を聴きながらレポートをまとめるためには、音楽プレーヤとワープロが必要でした。レポートを書く途中で何かを調べるためにはいったん作業をやめて大学の図書館に出向く必要がありました。大学に出向く途中で誰かに連絡を取るためには公衆電話を使いました。ところが、現在はこれらの作業がスマホ1台で可能です。学術論文はネット上で公開されていますし、商業雑誌の記事も発売日からしばらくたつと多くがネット上で公開されます。様々なことを1台の小型コンピュータでこなせる時代になってきたわけです。IT技術が進歩することで、本当に生活が便利になりました。

 しかし、上記の作業のうち、調べるという部分に絞って少し考えてみると、IT技術の進歩によって人間の能力が下がるのではないかと思われるのです。それは情報収集に関してです。

 現在、検索エンジンで調べたいキーワードを入力すると、それのキーワードを含むサイトが一覧表示されます。知りたいことに一気にアプローチできるわけですね。検索結果として表示されるサイトは、我々が知りたいことがダイレクトに解説されているサイトであることがほとんどです。これは一見便利ではあるのですが、自分の知識・能力を縛ってしまいかねません。

 というのは、検索の時点で、自分の頭の中にある事柄についてのみしか調べることができないからです。そして、検索の時点で自分が知りたいことと世の中で起こっている様々な事柄との関係を考えるという作業をしないからです。

 一方、新聞や書籍を読む場合、多くの記述のなから自分の知りたいことを探す作業が必要です。その過程では、自分が知りたいこと以外の事柄にも目を通すことになります。当然、時間がかかります。しかし、自分が知りたいこと以外の知識も吸収しますし、それがすぐには役立たないとしても、すでに頭の中にある様々な知識と結びついて、別の機会に大きな威力を発揮することがよくあります。

 ネット検索はダイレクトに必要としている知識にたどり着き、時間がかかりませんが、もしかすると人の能力を下げてしまうのかもしれません。そこで、私は考えます。新しい技術が出てきたときこそ、古い技術を見直そう。



小野正芳

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